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2012年9月10日月曜日

番外編2 浮遊世界コインメタトリー滞在編



番外編2 浮遊世界コインメタトリー滞在編



1


「キーをぬけ」
「『キーを安全に抜くことができます』OK.表示が出たぜ」
USBメモリのようなキーをコネクタからぬいた。
「なくすなよ。動かせなくなるぞ。エジオンに戻るときレッカーで運んでもらうことになる」
アルフレットがきいた。
「お財布カードと一緒にできないのか。ホラ、なんこもあると、かさばるだろ´´」
パーカーがこたえた。
「さあ、そういうタイプのマシンもあるのかな。なにしろ、個人照合とロケットを動かす肝心のプログラムがはいってるからな。外部と通信するとウイルスや漏えいが怖い。あとロケットに関係ないプログラムをあんまり積むなよ。昔はやったゲームとか」
「ああ、そういうのは自分の端末に入れてこい」クラークが汗を拭きながらいった。
「地球でいえばマイカーにCDとかカセットテープをやまづみするなってことね」
「ああ、そうさ、自宅のマイカーのプログラムタンクに、いい年して、テトリスとかいれるなよ」
「クラウドで通行中ダウンロードするな。はずかしい。音楽くらいにしろ」
「ああ、ラジオで歌謡曲きくみたいにドラクエやるなよ」
「僕かい?ぼくは今は食用の野菜や果物の栽培さ。家でもぎたてを調理して喰うのさ。でも農学の学習と経験をつんだら、農場の大規模経営をはじめるんだ。そして、出荷して稼ぐ。そうさ、夢の出荷さ」
「おりるぞ」




三人は母船のロケットからおりた。
出口のコネクトにキーをさしこむとロックされた。
≪イッテラッシャイマセ。ドアヲロックシマシタ≫
パーカーはチケットを愉快な仲間たちにくばった。
「お財布カードをオープンにしろ」
「OK…」
「チケットに滞在許可証と個人照合、宇宙協定からの認定識別番号、あと滞在中のマネーが振り込まれている」
「ロトの紋章みたいさ」



2


「クラーク、運転は疲れたか」アルフレットがぶらぶらしながらいった。
「ほとんどの操縦はアイザック・ニュートンがしてたさ」

ゲートで鑑識がおこなわれた。
「オートだろ!?」
「電話の先で大臣がハンコを押してるともいわれる」
≪ウェルカム。お客さま、惑星入国許可がおりました。エレベーターでホテルルームにどうぞ≫
クラークがいった。
「駐車ポートはやけに巨大なのにここは、どうもせまいさ」
「ライフルを持った警備員とかいないのか!?」
「デスマシーンが警戒してる。チェックインしよう」
エレベータをおりて、フロントでチェックインした。


次の日
「さてと…僕は書店を見てくる」
アルフレットは朝食をとり、着替えるとそういった。
「書店?」
「ああ、農学の本をみてまわる。エジオンにないものがあるだろう」
クラークがいった。
「それなら、宇宙航空学の講義を聴講してくるぜ俺。ラプラスの天体力学とか講義してたりしてな」
「それなら、フロントにきけ。私はコインメタトリーの国王にあいさつにいく」


アルフレットたちは自転車をすすめられた。
「じゃあな、アルフレット。この星の学校に行ってくるぜ」
「ああ」
自転車用道路がしかれ、周りを緑の芝生がおおう。
ハンドルの間にコンピュータがついており、地図をフロントでもらってきた。
(「通行許可が下りてる範囲の地図でございます」……)
目的地もマーカーで記されていた。
「よけいなデータがないからわかりやすいぜ。誰かみたいにアプリを入れすぎるとページを選択するのに迷宮になるんだ」
自転車をこぎながら、8曲しか入っていない音楽をイヤホンで聴いた。
「目的地までおよそ30分か…ちょうどいい。自分が走行した距離のメーターか」


アルフレットは書店がなんけんかある土地についた。
「さてと、ここのブックストアには掘り出し物があるのかな…」
そういってなかにはいった。

クラークはコインメタトリーの学校をめざした。
軽快にタイヤを回し、ハンドルをきった。
「マップにはしった道にマーカーで記録されるのか…あとでノートに滞在記を書くとき、切り取ってくっつけよう。講義録もだ」
こいでるうちに、学校が見えてきた。
芝生の盛り上がった軽い丘がある。
学生がたむろしたり、ボール遊びをしている。

「アメリカの…いや、イギリスの大学風か…」
クラークはハンドルの間にある端末をはずして、もって校内のマップをみた。時間はちょうどいい、あと20分後だ。
受講券をみせて、講堂内に入る。

講義がはじまった。
クラークは最初から見学と決め込んでいた。宇宙船から詰め込んだ知識だ。体系立って学んでいない。好きで始めた、しろうと学問で理解できるか?

「アインシュタインの相対性理論で計算したらいいと思います」
学生がいう。
「だが、どうやる?具体的に」
学生と教授が対話している。
(相対性理論…なるほど、物理だ。宇宙を知るためか…僕は素人だ)

「君は数学を知らない」
「独自の数学で、既存の数学を論破するつもりです」
「いつ?」
「夏休みに完成させます」
「君はいさましい」

わかるわけでもないが、参考になった。
ノートにあてどもなく単語を書きとめた。

最後に教授はパンフレットをくばった。
「夏休みにある…学会の大御所がこの大学にあつまり、対話する。未発表の憶測だらけの会議だ。学生の君たちには刺激になる。君たちは辞びきしか知らない」
(へええ。おもしろいな)




3


クラークは大学の庭に寝そべって考えごとをした。
「……………」
自転車にもどり、端末をセットした。
サイクリングの気分でホテルまでつっぱしる。
途中端末でホテルに電話してみた。
≪ハイ。パーカー氏もアルフレット氏も、マダモドッテオリマセン≫
自分たちの部屋にかけたが、誰もいなかった。
「あいつらまだ、やってるのか…」
だが、電話をかける気にもならなかった。
走りながらギアをチェンジした、そして、こぐスピードをUPした。
≪このスピードだと350には、目的地に到着します≫
端末がナビした。
「シンプルだな。この端末」


クラークがホテルでソファに座り、日記のように滞在記をデジタルノートにまとめていると、アルフレットが帰ってきた。
「あー汗をかいたぞ、クラーク君」そういうと、シャワーを浴びにいった。
「おー、おかえり。おめー運動不足だから汗かくんだな」
でてくると、「クラーク君。オレンジジュースを用意したまえ」といった。
インスタント・ロボがキッチンから運んできた。
「おめ、インスタント・メカに命令するとき、俺の名前つかうな。イラッとくんだろ!?」
「おっと失礼」そういって、おいしそうにゴクゴクのんだ。

パーカーももどってきた。
すると、配達ロボが荷物を運んできた。
≪ブックストアから配達です・料金既納≫
「電子書籍でなく紙の本か…」
「ああ、デジタルも買ったさ。本はエジオンに変えるとき置いていくんだ。モニターの見すぎは目を傷めるだろ」
つつみをほどいたが、ガラスのような球のカプセルにはいった、植物を3つとりだした。
「園芸市でかってきたぞー。完全密封の観葉植物だ」
「ソフトクリームのケースみたいだな」クラークがいった。
アルフレットは天井から糸のようなピアノ線でつるした。
「緑があると、目が潤うだろ~」
「まあな。また、はじめたのか」



4


クラークは宇宙航空の雑誌をダウンロードして読んでいた。
「専門知識を簡単にかいてるな。科学誌のニュートンみたいだぞ」
広告に聴講してきた大学のバスケの試合がのっていた。
TVをつけてみると、試合をしている。
「ふーん、大学のスポーツも中継あるんだな。普通に部活だな」
アルフレットは一人用チェアで農学の本をめくっていた。

パーカーは車関係の雑誌を見ていた。
「おい、みてみろ。この惑星のギアチェンジソフトいいぞ、これ。」
「どれ」
「ハイスピードとモノラムギアがあって、インスタントエンジンとメジャー2パワーモーターをきりかえるんだ」
「タッチパネルか音声切り替かよ」
「動画でみてみる」
音声かボタンを押すとサイドからレバーがとびでた。

ギアチェンジ可能です

「おお、自動でギアきりかえ安全か判断するのか」

ゆっくり、てまえにひくとモニターのメーターがカラフルに色が濃くなる。それに従い、エンジンの駆動音がにぶくかわり、伝わる振動も変化していく、スピードメーターも針が振れる。
さっきまで、どこか走りにくそうだったマシンがスムーズに車線を飛ばしていく。そんな解説広告だった。

「サイドレバーつきのソフトウェアか…」
「エンジンがインスタントとメインの二種類ないと使えないプログラムだな」



5


次の日、三人は外にいかずホテルの室内で読書をしていた。
クラークは宇宙飛行の雑誌をめくり、TVでコインメタトリーのスポーツをみたりした。
アルフレットはエジオンの果樹園の手入れ、買ってきた農学の本を何冊もテー部に積んで読んだり、カプセルの観葉植物をいじったりした。

クラークがきいた。
「この世界の国王はどうだったんだい」
「ああ、あいさつしてきた…」


国王謁見の間

「ようこそ、パーカー氏。ガオンを何匹も刈り取ってくれた英雄と聞いている。滞在中力になろう。それと、奇異な話で悪いが、地位の違う女性と恋するのは好ましくない。自分より身分が下の女は不貞を働く。それこそ一生懸命不貞に走るといっていい。本能だといっていい。悪心ということではないとおもう。自分の本当の仲間は地位の下の男だからな。愛するのは不可能だし不謹慎といっていい。悲しい思いをすることになるだろう。相手にも悪いことをすることになる。魂の修行のレベルというものがある。少しばかりの努力では越え難い。あなたはガオンを倒すほどの英雄。くれぐれも気をつけたほうがよろしい。
それと…コインメタトリーには4つの空飛ぶ円盤がある。それぞれが橋でつながっているが…4人の王がいて、それぞれ話し合いで全体の決まりごとが進むことがある。ここはコインメタトリーでもゴールド・ウィン・コインという。ほかは…エカルテコイン、ラグナルロク、ブロームインと呼ばれる。それぞれ入国には許可がいる」


「こんな感じだ」
「不貞…」アルフレットは昨日スマホに電話がかかってきたのを思い出した。

ドロシーからだった。兄のカーターがひとりで鎧竜人と戦い、アメリカからおいだしたといっていた。エジオン行きの船に乗るという。コインメタトリーからかえったら迎えると。


カーターはライオンソード2で鎧竜人とたたかった。
「ハッ!」
数体が斬れる。
何体かは鎧にひびが入った。
そこにカーターが斬り込む。
ズホ
次々血祭りにあげた。
生き残りが、乗り物のドラゴンと融合する。
だが、カーターが軽く横なぎにすると、血しぶきがほとばしる。
槍と爪が来る。
カーターはライオンソードを地面につきたて、ジャンプする。
槍を投げた。
剣先をずらして、かわすと、逆立ちの姿勢で突き刺した。
突き刺したままカーターは数歩あとに立った。
ジジジジジイzzzz
ボーン!!!
ライオンソードのビームをたらふく吸って、爆発した。
宙に舞ったソードをキャチして、そのまま斬りつける。
ガオン!
圧勝だった。


「そういういいかたないべよ」
そうきいて、アルフレットはハッとした。クラークの声だった。
「でも、しかたないだろ。忠告さ…事実らしいぞ」
「そりゃそうだろ」クラークが平然と言った。



6


「買ったのかこの車」アルフレットが驚いていった。
「すごいぜ。デザインがどっしりして高級感がある」クラークがつったったままいった。
「レンタルだ。一台買って帰る」
三人は車にのった。
映画館とか美術館の会場のような、薄暗い落ち着いた気分にさせる乗り心地だった。
「安心する乗りここちだな」アルフレットが後部座席にのっていった。
「エアダクターから空気がくるぜ。それにイスからして違う」
「循環してるだろ」
電磁石エンジン(モーター)を始動すると、心地いい振動が伝わってくる
「しっとりした気分だ。なんか風呂につかっているような、ホワイトノイズのようなおちつきだ」
「注意欠損多動症害かよ」
「あかちゃんでもいたら、眠り込むさ」
「バッテリーかよ、バイオエタノール?」
「電磁石タイプだ。オペレーションシステムはシステムデボン社製だ」

マップが表示され、目的地を選択する。

発車スタンバイOK!スタートしてください

ハンドルをゆっくりひくと、ボッ!と動き出した。
あとは自動操縦のボタンを軽く押す。

軽快に走る。窓の外の景色が後ろに動く。
操作モニターに音楽のジャケットがある。
それをタッチして、音楽を鳴らした。
「俺もなにかダウンロードしたいぜ」クラークがいった。
「パックマンとかやめろ!僕が検索エンジンで検索する」アルフレットがいう。「ああ、ドロシーから電話があったんだ」
「ドロシー?」
「ああ、カーターの妹かい」
「地球にだいぶもどってないから、疎遠になっていたが…エジオンに来るというんだ」
アウトバーンに入りました。

サインが出た。

コマンド?高速化しますが、
速度は?最高速度指定210ベール


パーカーはギヤチェンジレバーをゆっくりひいて、それから、ハンドルの角度を変えた。

スピードメーター:180ベール

敵度なGがかかるのを感じた。
「そうかよ、あのワトソンとかいう人は?」
「ああ、ワトソンか警察時代の親友だ」
「その人も警察か」パーカーはクーラーと空気清浄アプリを起動して、タッチした。
そして、たばこを取り出して吸い始めた。
「いや、小説家さ。警察は首になったわけじゃないんだ。地球人としてはオレゴン州警察官だ。」
「こっちじゃ軍人だぜ」

車は自動で快適に走る。
消費電力スリープモードに操作すると、フロントガラスの下に横長に広がるモニターがサングラスのように暗くなって目立たなくなった。

トンネルも快適にこえていく。


7

「ついた、ついた」
三人は車から降りた。
「かるくめまうぞ」
「ゴールド・コインの市街地だ」
「そういや、空飛ぶ円盤なんだろ!?。どこにはじっこがあるんだ?」
「海みたいな感じであるんだろ。後でいってみるか」

三人は武器やをみてみた。
「エジオンより強力な武器が売ってる」
「ここじゃライオンソードなんか安物だぜ」


ライデンソード        9800   
ゴルデンシールド       8700    
ストロービーム銃       15000   
ゴールドエクスカリバー    230000  


「ライデンソード?」
女性の店員から、男性の店員もいる。地球の家電量販店ににていた。
女性の店員が答えた。
「普通のスチールを鍛えたものです。エナジーボールや電撃など高温に耐久性がある程度あり、切れ味はにぶいですが…」
「カーターに似合いそうだ…、ゴールドエクスカリバーか…高いな」
「伝説のエクスカリバーを金を高圧で鍛え作ったレプリカです。もしかして、お客様たち、エジオンの…ガオンを倒した英雄の…」
「パーカー!お前、有名なのか!?」
「あのときの戦いがコインメタトリーまでつたわってるらしい」
「はい。ガオンはコインメタトリーにも侵略に来ることがあります。私たちの惑星にもソルジャーがいますが…」
そのとき、アランという男が話しかけてきた。「おお?」
「惑星エジオンのソルジャーが君たちか!?噂は伝わってる。俺もコインのソルジャーに志願しようと思ってるんだが、力比べをしないか」


アランと名乗る男はバトルハウスに三人を連れていった。
「四人分…」そういって金をはらった。
アルフレットが挑戦を受けた。「僕がいこうか…」

アランはバトルハウスで木刀をかりて試合した。
アルフレットは素手だった。が、腕にプロテクターをつけた。
「遠慮なくいくぜ…素手でいいのかい」
ビッ!
アランの右手にかまえた木刀は鋭い音をしてふらさった。
アルフレットは軽く腕をあげてカバーした。
木刀のせいで次のアクションに間ができた。
アランの足蹴りがとんできた、が、すべるようにさばく。
「クラーク君…モニターの見すぎで目が焼けた僕はほとんど視力をつかわずたたかっている。…体が覚えた経験だ…」
「確かにわかり切ったようにかわすな。おめー」声が太かった。
木刀での攻撃はプロテクターでさばく。スキがあると手のひらで握る。
「クッ!」
木刀があると、拍子に間ができることにきづいたアランは投げ捨てて、両の拳できた。
「ボクシングの構えだ!」クラークがとっさにさけんだ!
ボンボンボン!!!!!
木刀の時と違い、スムーズにパンチのアクションがはじける!
(来た…!!
アルフレットは両拳を少し間を開けて前に突き出した。

ボボガガガゴ!!!!!

アルフレットは拳の痛みを我慢し、うけた。
打ってる方も、拳を傷めたが、最後の力でダッシュした。
オーラをほんのわずか拳にまとわせ、打つ!
気がつくとストレートがアランの胸にぶち当たっていた。
ドン!
「うし」クラークがガッツポーズをとった。
アランはダウンした。
「やった。勝った…」アルフレットは調子に乗ってふんぞり返った。
「フハハハハハ…エジオンのソルジャーにコインの戦士が破れたのだ」
「おめ、はずかしいからやめろ」
「帰るぞ、アルフレット…病院代を請求されるぞ。せめてスポーツクラブの代金くらいは…」
「ガハ――まて、バトルハウスだ。エジオンに変える前にまた来い。そのときまでには成長している」



8


国王に三人が呼ばれた。
「実は…神は地獄よりまだ恐ろしい世界を用意している。その鍵を私があずかっているのだが、人の家庭を破壊するもの、愛を破壊するもの。それを罪の最上階のひとつに認定された。いけどった悪魔をほうりこんでいるが…」
奥の間につれていかれ、巨人のドアかというほど巨大な扉があった。
恐ろしい空気が流れている。
「閉じ込めた魔物をあなたなら倒せるか…?」
アルフレットはいった。
「ゴールドエクスカリバーがあれば勝てる…!!」


国王がアルフレットに買い与えた。
扉を国王が鍵であける。

オオオオオオン


ゴアー

真っ赤に焼けた巨人だった。
「なるほど…僕のオーラに耐えきれる剣があって、かなうかな」
そういうと、オーラをゴールドエクスカリバーに乗せて、ふるった。
ゴン!



9


確かにアルフレットのオーラをのせてもゴールドエクスカリバーは壊れなかったが、微妙に振動していた。
ヴーン

火焔で焦げている巨人のパンチを喰らいそうになったが、アウストロガードでカバーした。
「うお、クラーク君……ガードと攻撃の両方にオーラをさいたら、どちらも半端になる。君ならどうする!?」
「おめー、熱いぞ、やられて寝てろ。もう扉閉めるからな」

巨人は脱出する最後のチャンスと、めちゃくちゃにアルフレットに殴りかかった。
自分を焼き焦がす炎による熱でアルフレットのガードもズタズタに壊れそうになった。
「クソ!バリアに全オーラを注ぐ…」

ゴンゴンゴンゴンゴンゴンガンガン

「クソ!意地になってやがる。いくらバリアがあっても」
一か八か、バリアを解除し、ゴールドエクスカリバーにエネルギーを蓄積して、斬りかかった。

アウストラクロスのブレードバージョンだった。

ピカ


ズガー  シュゴゴオゴオオ

巨人の額にクラッシュが炸裂する。

どうじに巨人の最後の一撃が炸裂した。


                                  


国王が、「火傷がひどい。水中にしずめて回復させよう」といって運ばせた。
医療室のようで、プールのような水がはってあり、ハーブや薬草、木の実などを浮かべ、傷ややけどの治療薬としている。
酸素ボンベをつけて、そこに沈む。天井からのLSDライトが静かに光を水中に注いでいる。カプセル内の植物がCO2を酸素にかえる。
その後、意識が戻ってからもアルフレットは水中で暮した。
{クーラク君、防水のデジタルペーパーをくれたまえ}
「いいけど、水中で飯どう食うのよ?」
〈水中食というのがある。ゼリー状だ〉




10


クラークは街の無料検索エンジン機で検索してみた。
「何回かに一回ジュースが当たるか…飲みたいときどうすんのよ?」
「クラーク君。空港みたいだな」
「おめー、やけどまでおって、さらにサイボーグになったな」
ゴールド・ウィン・コインからエカルテコインに移動する関所。
地球でいう空港のようだった。
「移住チケットがとれた」パーカーがやってきた。
エレベーターのように動く橋が、ものすごい長さである。
手すりは流石に堅牢で、落ちたりしないようできている。
しかし、橋の外は雲があるが、宇宙空間で日がささない夜は、天体空間にいるようだった。
「何時間くらいなんだ?」
「歩くスピードによる。座っていてもいいが、時間をくう」
「疲れたからしゃがみ込むぞ俺」
「おいていくぞ、クラーク君」


エカルテコイン王の謁見の間

「エジオンのソルジャーか…この国も国を良くしようとしてるのは確かだが、モンスターが凶暴なうえ、人心も乱れ、」
「うまくいかないのですか」
「娘の王妃をさしだせといってきている。その心労もある。助けてくれたら、そなた達と婚約させてもよいぞ。我が国はゴールドコインと違い、厳しい教育をとる。甘やかせて育てるから、怠け者になるという哲学が先代のまだまえからエカルテコインの信条だ。その代り勝ったものは、自由と成功を認める風土だ。気が向いたら来てくれ。討伐部隊を召集しよう」

「考えておきます」

「あなたがたは短い時間の滞在者だから言えるが…自由な楽園というものは、ほんの狭い範囲の人数でしか通用しない。帝国のような規模で、なりたたない。なぜなら?不正をなくし、正しい規律をしくから自由な風土になるのだ。ところが、正しい規律では不正を好むものは、やりずらいのだ。ある地域で試験的にそれをしたところ、民衆はその自由さを羨んだ。お門違いだ。不正をなくすが、自分たちの不正には目をつぶれが愚民どもの本音なのだ。うるさいことをいうな、だ。楽しくうかれる連中というのは、新しい政令がしかれ、不当に評価されていたものが、浮かばれる。自動で地位が上がる。それで楽しくなったと感じるのだ。長く続けば、また覚める。
さらに、評価のからくりがかわっただけで、不正がすきなものはまた別の不正にいそしむのだ。
わたしは、群衆にいやけがさしてきつつある。
どうだ、あなたたち、一年ほど、この王座に座って国を整えて見ないか?」



ホテルに向かう車の中、「ヘイ!なんだか寒いぜ、ボイラーをたけよ。雨だ。コインにも雨ふりがあるんだな」とクラークがいう。
パーカーダクトのアプリを操作して暖気を車内に入れると、ライトをつけて視界を良くした。

スリップの危険!路線のカーブと路面の摩擦係数を考えるとスピードダウンをお勧めします。

コマンド?自動で適度な速度に切り替えますか?

パーカーはギアをかえ速度を落とした。
助手席のクラーク
「なんだい?ここはエカルテコインのはじっこだぜ」
マップを見てクラークがいった。
「はじのカーブの道路だな」パーカーがいった。
「雲と霧でよくみえないけど、ガードレールの外は宇宙空間か」アルフレットが後部座席でいう。
「落ちたらヤバいぜ」
そのときDJのアナウンスが途切れ、ラジオで新曲が配信になったと、ラジオ広告がはいった。
モニターにジャケットCMが表示される。
「買おう」クラークが勝手に買ってダウンロードした。
「あ、ソフトウェアタンクに変なものを詰め込むな。自分の端末に落とせ!」
「そういや、端末に毎号届く雑誌がふりこまれてるさ。読まなきゃ」
アルフレットが話を変えた。
「それでお姫様救出にいくのか…」
「ヘイ!またガオンかもしれないぜ」


三人はホテルに着いた。

食事がすむと三人は暖炉に火をおこした。
サラダがおいしかった。肉は冷えていたがオイルが一風変わっていた。
ビールを一杯だけ三人とも飲んだ。
「いまどきペーチカが焚けるなんて、観光ホテルさ」
「趣があるな」
アルフレットはイスにすわって、剣を布で磨いている。
パーカーは葉巻をふかして、だまった。
クラークはビデオサイトをチェックして、エカルテコインの講義を見て見た。

ビデオサイトより

教授が講義している。
「仮説のたて方だが、事例をよく知ることから始まる。学生の辞引読みはたいせつだ。それと、歴史的にどうクエスチョンが回答されたか。どうアプローチをとって今、最善とされる仮説に行きついたのかを伝記でよんでおくこと。コルネリウスアグリッパからパラケルススまで無駄にしない。
それと、科学のありがちなパターン、これはまずないだろうという事実の蓄積。自然現象はありがちなメカニズムを知る。教科書を読むときそれにちゅうして読みなさい」
「カレッジの一年生用の教科書を読んだら、あとは専門の仮説を立てながら、本を読むのですか?」
「必要な箇所を参照みたいにピックアップして、オリジナルの辞書を君たちの得意なデジタルノートに帳面をとるといい。辞書を一ページがから皿のように読む手法は頭にはいらない」
「どっちにしろ、勉強時間を増やすのですか?」
「密度がしっかりしてたら、短い時間でもいいかもしれない。詰め込むと、腹がこなすのに時間がかかる。テニスでもサッカーでもいい。カレッジに在学しながら一日一時間の勉強では足りないかもしれない」
「プロになれませんか」
「私の時代は君たちより大変だった。気が向いたら勉強すればいいなら、私はいま教壇にいないな…。昔はゆっくり勉強するほど裕福じゃない。夜学に通っていた。働きながらだ。発明しないと、喰えない。ひもじいのがつづく。詰め込み方が違う。今の私は怠惰だ…夜、TVをみて酒を飲んでる。あのころじゃ考えられんな。昼間働いて、休みは詰め込む。学問の道具になけなしの金をつぎ込むんだ。気迫が違ったな。だが、おかげでインプットされた知識は優れたな。君たちは恵まれてるかもしれないが、おかげで損をしている」
「学生の頃、学生パーティやビールも飲まなかったのですか?」
「地球という星のケンブリッジがそんな感じだ。わたしはそこの留学生だった。そのころは一日一時間も勉強しなかったな。いや、まとめて試験前勉強したかな」
「プロフェッサーもそんな感じだったんですか?」


「おい、パーカーこのエカルテの教授、地球を知ってるぜ。エジオンならまだしも」
「そりゃ、いるさ…ムニャムニャ。マイナーな星だけどな」





11

エドガーというものが、サポートについた。
「フン…。まず、力をみたいので…、手合わせをと。模擬ゆえ、刃のない剣で」
「俺がやるか…´´」クラークが剣をとった。
「剣は初めて、いやひさしぶりかな」
エドガーがいきなり突いた。
クラークはとっさに横にないだ。
ギン!
「おっと」
すぐに、上から落ちてきた。
後ろにクラークは飛んだ。
足で反動をつけて飛び込んで打ち込んだ。
エドガーが受けた。
ガン!
剣はどちらも折れた。
「青銅の剣といったところかな」


王女にお目通りになった。

「わたくしなど、王家に生まれてありがたく育ちました。学業を丸く収め。裕福な暮らしをし…。しかし、身分と引き換えに孤独ではありました。話し相手に恵まれません。そこで二十歳のころから、ラグナルロクの王女とお友達になりました。ブロームインにはいったことがありませんし、エカルテには王女がおりません。大変仲良くしていただき、幸せでしたが…モンスターがおそってきまして。軍もうごきましたが、敵軍も手ごわいようで」
エドガーが補足した。
「城内ならまず安全だが、姫が外出する隙をついてモンスターが攻めてくるのだ」
「ラグナルロクの王女に会えないのはさびしいですが、あなたたちエジオンのソルジャーが力を貸してくださるといいますので。なんでも歴戦の勇者だそうで。ありがとうございます。
それから、これはエカルテコインに古くから伝わるお話ですが…、古い時代のエカルテの王が結婚をしました。婚姻の宴が過ぎて、次の日の朝目が覚めると奥方になったばかりの后は朝日が昇る前に亡くなっていたのでした。王は大変悲しみ赤い花をたくさん棺に入れて、埋葬したということです」

通路を歩いて四人が歩いていた。
エドガーが口を開いた。
「フン!あの話にはふた通りのつづきがある。后は吸血鬼となって、城の中を夜な夜な歩き回ったという。修業を積んだ僧侶が棺桶を開き、聖なる槍で心臓を貫いて葬ったという」
アルフレットが頼もしそうに尋ねた。
「ふん、それで…もうひとつのほうは」
クラークはいった。「へぇーっ」
エドガーはいった。
「王は悲しみ、死に別れも失恋のうちだといって、赤い石でカタコンペ(地下墓地)を立てたという話だ」
「へええ。それだけ?」
「…防腐処理をしたとかいう、おひれがついてるな。それが罰あたりで神の怒りを買い、ミイラの怪物になったとか。どちらにしろ、実話を面白おかしくしたものだ。地下武器庫についたぞ。好きな武器を選んでくれ」
古臭い武器が埃の中にある。
「ホントに使えるのかよ。博物館行きだぜ」
「これが、さっきの伝説のホーリーランスだ」
「槍か…´´やっぱりなじむさ。坊さんの人徳が宿りそうだぜ」
「クラーク君。どうも薬くさい槍だな。ゾンビキラーかい」
「アルフレットはゴールドエクスカリバーがあるからいいだろ」
「二挺し込もうかと思ってね。敵はなかなか骨がありそうだ。ガオン以上だな」そういって、武器を確かめだした。
「パーカーはどうするんだい?」
「わたしか…携帯用ビーム銃しかもってこないな。剣か…」
「フン!これがいいだろう。半端な長さの剣だが、半分がつかだ。もちやすい」
「変わった剣だな薙刀に似てる」
「聖なる炎で二年間焼き入れをしたという」
アルフレットが叫んだ。
「これだ!グリップが両端にある剣だ」
「それはつかいずらい。アサシン(暗殺者)が好む」




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