ゴールド・ウィン爆裂
1
クラークたちは巨人を追いかけた。
体から焼け焦げた煙をあげ、まだ体が熱をもっている。
ゴールド・ウィンの警察と軍が、銃で防戦している。
チュオン!
クラークはジャンプして巨人の肩にホーリーランスを突き刺した。
ドズ
巨人は怒鳴った。
「焼け落ちるレンガに苦しめられ、決して消えない炎で焼かれていたのだ。こんな槍などいまさら傷のうちにはいらん!!」
クラークはビームライフランスをとっさに構えたが、巨人のパンチを喰らった。さらにライフルをとりあがられた。
巨人は握りつぶしたが、燃料が暴発して握った拳から煙が上がる。
「どうにもならんぞ、燃料一気に燃えたのに…」
巨人は足でふみつけてきた。
「うお、ジォヴェの楯」
ギン!
楯に守られ無傷だった。
ザールが神剣を奮う。
型どうり、一撃、二撃、三と喰らわす。
「三行、サの型」
巨人は斬れたが、剃刀でひっかき傷ができた程度だ。
「四行、十文字斬!」
ズアアア、キーン!
「グア!この野郎!」巨人はいきり立った。
めりこむほど、つよくパンチを繰り出した。
建物が壊れる。
ザールはすばしこくよける。
天から矛のような鎚がふってきた。
巨人はそれを握るとザールに振り下ろした。
「うごおおおおお」
ザールはよけると同時にジャンプした。
「七の八行(ななのはちぎょう)、天追撃!」
下から斬りあげると、今度は螺旋のように回転して打ち下ろした。
「ぎゃああああああ!」
さすがの巨人も悲鳴を上げる。
ザールはほくそ笑んだ。
ニャ。
次の瞬間、雷鳥の時と同レベルのいかづちが降った。
ザアアアアアンンンンンンンン!!!
「うごごおおおおおおお???」
「どうだ。オレが喰らって耐えかねた電流だ!?」
さすがの巨人も耐えかねている。
「地獄の扉の中のほうがましだったかな」
そのころ、パーカー達の宇宙軍艦では、
アランが食堂に入ってきていった。
「パーカー、見知らぬ船が通信してきたぞ」
「電話で連絡しないでわざわざ来たのか!?」
「メカにうといんだ。外線つながってるのに、内線つないでいいのか」
アルフレットがいった。
「いつの時代の話だ」
「インターネットやってるときに電話をかけるな、みだいな話だな」
アルセウスもいった。
2
コントロール室
「向こうは停止している。ウィンカーが点滅してるな。あと少し近づいたら徐行してみよう」
「なんていってる!?」
相手がうつり話しかけてきた。
≪エジオンからイイモノをもってきた。コインメタトリーに配達しようと思ったが…ちょうどいい、今渡す、適度な距離で停止しろ≫
「物資の運搬船だ」
≪エジオンで開発された『エジオンソード』パーカー氏にだそうだ。確かに。電子署名をいただきます。まいど≫
荷物の発射口からダランと小包がでた。
掃除機のようにパーカーの軍艦の荷降ろし口から吸い込んだ。
「エジオンの武器職人が作った電子剣だ」
アルフレットがいった。
「ふーん、僕のアウトセーバーはごつい剣だが、これは美しいこしらえの剣みたいだけど」
「そう簡単に壊れないように特殊な金属なんだろう。輝きが本物だ」
アランはスペースインターネットの頁をみていた。
「文字ばかりで文庫本見たいなSNSもあれば、画像と音楽だけで文章のメッセージがあまりないのもあるんだな…読みごたえがないぞ。おい、ブログとSNSって何が違うんだ!?同じに見えるぞ」
ザールは巨人にいった。
「おまえは何をしてとらえられた?」
巨人は答えた。
「オレは盗賊だった。星を襲い、人や馬を喰らい、宝を略奪し、建物を破壊し、そして星に火をつけ立ち去る。それを奴がとがめた。オレは盗賊だ。盗んで何が悪い。奴は手ごわかった。一撃をくらい気を失ったが、気がつくと牢の中にいた。オレはあらゆる武器を極めた武術の達人だ怖いものなどない」
いつの間にか手に巨大な弓矢をもってザールにひいた。
「ムッ!」
矢はザールに対し敵度な大きさだが、幾本にも分裂して襲いかかった。
兜がカッと光り、ザールは剣を大きくふるい防ごうとした。
一本だけささった。
「がうぅっ!?」
ザールの顔色が悪くなった。
「貴様の剣と兜も頂く。そしてお前を家来にしよう。それとも代わりにあの炎の牢獄に閉じ込めようか?」
「ううぐ…」
「………どうした?急所に刺さったか…」
巨人はこんどは大きな袋をかついでいた。
「うおお?おおお!!」
ザールは吸いこまれた。
3
ゴールド・ウィンの爆裂をパーカー達は船の中でニュースを見て知った。
港(ポート)について船を駐車したら、すぐ駆けつけるつもりで待機した。
クラークは倒れたまま見ていた。
「くそー……。やべーな。槍刺さったままで武器なしだし、エレパントバスタも不可能な体躯だ…」
街のひとりをつまむと巨人は頭から喰いついた。
「羊のほうがうまいな…あっちに家畜の匂いがする」
そういって、牧畜場にむかおうとする。
(やべ。特産品が!)
アルフレットから緊急通知がきた。
≪やあ、クラーク君、ひさしぶりだな。あと少しでつく。よろしく≫
(すこしか……無理しないで防御してるか…)
そのままたおれていると、ロケットがポートに入るのが見えた。
(おお)
巨人は今度は女性をさらって喰らった。
ガブ
巨人がいった。
「気を感じるな…なかなか強そうだ。ん?前に感じた事があるな」
パーカー達がかけつけた。
巨人はアルフレットをみると思いだした。
「お前か…回転する隕石に鎖でくくって燃える牢にほうりこんでやる」
「よろしく…」アルフレットは答えた。
オーラをひねり、分身を生んだ。一体だけ。
ブオオオオンン!
「ゼンマイをたっぷりまいたから、たっぷり動けるぞ、アルフレットパート2」
アウトセーバーをもって、分身は動きだしていった。
「元のアルフレットと違って、セミに空も飛べる」
そういって空を飛んで巨人に向かう。
ドン!
オーラをゼンマイの半分に乗せアウトセーバーから閃光をときはなたてた。
ストレンジクオークの密集した集合を巨人はもろに喰らった。
「ガ」
巨人は倒れて気絶した。
本体のアルフレットはいった。
「なんだ。あっけなかったな」
4
倒れた巨人を扉の中におしこみ、閉じようとしたとき、奥から別のだれかが来た。
ウオーン…
鬼女(きじょ)だった。
腕が5本も6本もある。
口からは牙がむきだしになっている。
ひたいからは血を流している。
座禅を組んで座っている。
ボーン!
ドラを鳴らす音が聞こえた。
見ると巨大な虎と大蛇がおそってくる。
ふくろからでて、ふらついているザールは名誉挽回のため意地になって神剣をふるった。
「せめて、こいつらくらい!」
大虎は右目がかすり、血が流れた。
とたん、矢があられのように襲いかかる。
ドドオドドドドドドオドド→→⇒
虎は矢が何本も突き刺さり、もがいて倒れた。
「ニヤ」わらうと、ザールは気絶した。
アルフレットはアウトセーバーを軽くふるった。
大蛇は首が落ちた。
「女の鬼ね。かなり、やばそうだけど…」
アルフレットは今度は本気でオーラを使いアウトセーバーをふるった。
ジューオーン
ストレンジ・クオークとチャームクオークの刃だった。
「SFにケチをつけないでほしいけど」
そういったとき、鬼女の首はドサリと落ちていた。
口から舌がだらりとのびている。
「………やられたふりだとか?」
パーカーがいった。
「オレが確認しよう。エジオンソードも試し切りしたい」
パーカーが剣のエンジンをふかし、斬りつけた。
ウオχー§ンЦ
兆重力が鬼女の中心に発生し、周囲の空間が強力に中央にひきつけられる。
圧力が限界に達し、兆爆発が起こる。
5
跡形もなく消滅していた。
アランがいう。
「見ていると、吸い込まれそうな異空間だ。早くお暇しょうぜ」
奥は煙とあかい炭火のような明かりで薄暗い。
思わず何があるのか入り込みたくなる変な魅力がある。
きがつくと鬼女は元の姿に戻って静かに座禅している。
「あ!っー」
アルフレットは思わず声を上げた。
(何度破壊してももとにもどる体なら…戦闘は無駄だー)
全員は扉からあわててでると、すぐゴールド・ウィン王が鍵をかけた。
焼きホルモン屋で塩ホルモンを食べた。
一同、さっきの恐怖を忘れたかった。
バズオーンがいう。
「物体はその世界で反応しすぎると、ソナーにならないな。火の元素は探知しようという相手を燃やしてしまう。反応性が高いということだ。水は生命のある星で気体、液体、固体の3つにわかれる。超高温度の世界では、気体かプラズマになって存在するしかないだろうな。地上で気体や液体の水で触るなど難しい。つららで叩いて固いかどうか探れる。その世界で珍しい物質なんて大抵、反応性が高い証拠だ。だから普通に存在しにくい。だがオーラは武器になる。反応しないオーラはソナーになる。だがありきたりすぎると、放ったソナーなのか、元から存在するのかわからなくなる」
アルフレットしかきいていなかった。
アランがいった。「サワーは禁止だ。にあいすぎる。ライスとビール以外禁止だ」
「なぜだ?」
「塩ホルモンの匂いだけで喰え。焼ける音と匂いを味わえ。ちゃんぽんは毒だ」
クラークがいった。
「喉詰まらすなよ。かみきれねーからな。おとうしもだめか?」
「おかわりしてもいい」
パーカーがいった。
「あの無縁仏恐ろしい相手だな」
クラークがはしでホルモンをそーっと、いじりながらいった。
「さあ、ああいうのは大神ジォヴェにまかせて閉じ込めとくしかねーな。ホルモン焦げるぞ、忘れて喰え」
そういったとき、油がはねてクラークは目に入った。
「あち!」
6
ザールはゴールド・ウィンの病院に入院したが翌日、退院してブロームインに帰った。
バズオーンは研究室に帰り、錬金術の研究を続けるという。
クラークとパーカー、アルフレット、アラン、アルセウスはウィンのホテルに滞在した。
パーカーとクラークとアルフレットはパーカーの部屋にいた。
フロントから電話がかかってきた。
天上のスピーカーから声がする。
マイクも天井にあり、操作は電話のアイコンがホログラムがBon!とあらわれた。
クラークが蹴った。
Baiiinnn!
≪パーカーさまにお客さまがみえておりますが≫
「いまいきます」
インスタントロボットがロビーにきていた。
≪やあひさしぶり、エカルテ王をやってました。新聞でクラークさんの活躍を読んでます。TVカメラのおじさんはみたいところに撮影にいってくれると限らない。ラグナクロクで開発されたメカです。自宅で操作していきたい所にいってくれる。自分のかわりにですな≫
幼稚園の児童みたいな、足をギコギコ、腰がゆれる歩き方でロビーを歩きまわる。
クラークがいった。
「ああ、ごぶさたしてます。面白いですねこのメカ」
≪スマホより流行ってます。アーリーリタイヤも悪くない≫
(アーリーリタイヤ……?)
パーカーはソファに腰掛け煙草に火をつけた。
「フー。ラグナクロクはどんな土地ですか?」
≪最新のメカを開発することに目がない。そのわりに景気はよくないですな。最新のテクノロジーがよその国にもれることを嫌がるので利益がはいらない≫
「そうですか」
≪これから、娘のいるブロームインにいこうと思ってます。なにしろ結婚式には出なかった≫
「いろいろ事情もありましょう」
≪ではこれで…≫
そういって、歩いて帰っていった。
アルフレットは無料自動販売機でコーヒーを3つとってきた。
「ラウンジは高いからな。僕は分身戦士術で女の戦士を創造しようとした」
「それで…?」
「そのとき、気づいたんだ。男は身につけた能力は退化はするが、消えてなくならない…」
「女は?」
「なくなる。会得した技量をうしなう。その環境に適した能力を修行もせずに会得するが、単品か何種類しか保持できない。男はレベルアップさえすれば、いくらでもアビリティを維持できる…」
「ふーん、そんなものか……」
そのとき、パーカーのエジオンソードが光った。
「エジオンと通信している。あたらしいブリザードモードを購入してダウンロードするか?なに5000コイン高いな」
「おもしろそうさ´´、モンスターは今いないけど…」
パーカーはおさいふカードを開いて払った。
ピカ!
エジオンソードにブリザードモードが追加された。
アルフレットがいった。
「どうせなら、戦闘中にダウンロードしたほうが、インパクトあるけど」
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