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2012年11月26日月曜日

地獄牢のなかの扉の奇蹟






獄牢のなの扉



1

巨人とクラークは巨大な扉の中に入った。
約束していたといえ、扉が閉まって鍵をかけられたとき、クラークは心臓が重くなった。

ギー………ガチャン

すぐにクラークは息苦しくなった。
熱風が肺に入ってくる。
かく汗も蒸発していく。

どんどんすすむ。
あの鬼女がでたら、こいつなんとかしてくれんだろうな。
それも怪しいかもしれない。
プレッシャーとストレスが重なると、自然思考がマイナス思考に傾いていく。

巨人はどんどん進む。

真っ赤に焼けたレンガがものすごい音を立てて落ちてくる。
「おい、あんなのあたったりしたらどうするんだ?」
「気をつけろ」
「…」


薄暗いが、闇のグラデーションが魅惑的に見えてくる。
死への渇望だ!

クラークはそう思った。
赤黒いグラデーション……

ありとあらゆるものが、混乱し、混沌としたカオスの渦に混ざっていく。
美しいものも、死も、悪も善も…
その渇望感。

ガシャン

はっとした。
汗があごから垂れた。

「これだ…」

なかは赤黒く点滅するマグマの鍾乳洞だ。
「………」
さっきまでと違い、湿度が高い。
肺が湿った熱さで焼ける。喉も…

歩くだけで頭がつかれ…被害妄想的な思考が走る。
何も言わないで進む巨人の頭を金づちで殴りたい気分になる。

「どうした…?怖気づいたか、オレもここまでしかきたことがない」

階段があり、幅は広いが汚れている感じがして古い。

ドアに鍵は掛かっていない。

ガシャン

さっきまでと違い、涼しい。

通路は広いが、延々と先が見えないほど続く。

壁に立派な楯が隙間なく並んでいる。
さっきまでより楽になったクラークが見とれていった。
「すげーな。俺の楯なみに頑丈そうだぞ。こんなのがいくらでもあるとは…」
「相当な威力の楯だ。こんな数…美術品としても高価だろうな」
そういって、ひとつもっていこうと触れた。
バチ!
電撃が走り、そう簡単に手にとれないらしかった。
「だろうな…。観賞用だ、もっていっていいわけではないのだな」
「だろーな」

さらに歩くと、こんどは刀剣や槍が壁に掛けられている。
「こんどのは切れ味が死んでる…ホーリーランスと同じで今すぐ使える武器じゃないな」
「芸術品としては価値がありそうだが…たしかに魔法の威力が消えている。死んだ刀剣だ」

さらに歩いた。
両脇の壁に本棚がならんでいる。

一冊引っ張りだして読んでみた。
「おお?数学?俺は数学なんて無知だけど…別世界の数学書ってかんじだ」
「次元の違う世界の数学だ。高度なのはわかるが、理解するのが難しそうだな」
「俺たちの世界の数学者が見たら…3000年後の未来の数学みたいだ」
「興味深いだろう。未知の数式だ」


出口と思わせる扉をひらくと広間になっている。

白いナプキンがしかれたテーブルとイスがあり、焼き立てのパンがおいしそうに並んでいる。
それに冷えたビール。
バイキングが使うようなうつわになみなみと注がれている。

「喰っていいのか…?」
焼け落ちた世界で汗をかき、喉がからからだった。
二人は黙って勝手に飲んだ。
喉を鳴らして飲む。
「100年ぶりに飲むビールみたいだ」
「うまいな…」
焼き立てのパンも二人は全部食べた。



2


クラークは食べ終わるといった。
「この牢獄とこの部屋は大神ジォヴェが造ったのか…?」
「わからん…オレは神々に罪人として牢に閉じ込められたが、同時に神々があやまった行いをしたとき、それを咎める能力(権限)をもつ…神々であれ弓を引き、刃を喉につきつける…」
「大神に?」
「いや、ジォヴェとは…話には聞いたことがあるが、見たことはない。オレが権限を持つのはもっと下の神に対してだ」

ふたりはさらに奥に進むと、アルフレットがあった双面の巨人がいた。

巨人はいった。

「おまえは…見たことがあるな。何度か闘ったことがあるが、勝負はつかなかった…」
双面の巨人はいった。
「…おまえの…部下だった魔人ウォウンは今、かなたの土地で自分の世界を創造しているぞ…」
「あいつが…?おもしろい、訪ねて行ってみようか…」
「それなら…おまえはあっちのドアをいけ…」
そして、クラークのほうを見ていった。





3

エジオン

コーヒールームで三人は話していた。

アルセウスがいった。
「エジオンソードか破壊力が違うな。うらやましい…」
ブラックコーヒーを飲みながらいった。

アランもいった。
「高そうだもんな。ゴールドエクスカリバーなんか高級品だ、だが金で買えないほどの剣だな」
パーカーが葉巻を吸いながらいった。
「エジオンソードはふるうとき、ブルトーザーのようにダイナミックな迫力を感じる。持っているだけで怖いような。下手をするちぢみあがる」

「そうだろうな。ただふるうだけで大ダメージなら、楽勝アイテムだ。私のライト正宗にはアクセルがない。ふかすとかがないんだ。常に一定。バッテリーがあがるからな」
「どうやって充電するんだ」
「普通に充電器で充電できるが、ソーラー発電と振動で常に蓄積している。そのかわり出力に無理はできない」


双面の巨人はいった。
「そのモーニングスター…あつかえるかどうか、わたしと勝負するか!?」
「手加減なしで叩きつけられる相手か…おもしろいな」
クラークはこたえた。

巨人は、
「オレはここでわかれるが、最後に勝負の審判をしてやろう…」そういった。

「では…」
クラークは左にジォヴェの楯、右に斧にしたホーリーモーニングスターをかまえた。



4

クラークは斧にしたモーニングスターを振りかぶる。

クラーク     : ミノタウロスハンド
ジォヴェのしもべ : 手のひら         746

ボコッ!

双面の巨人はラッセル車のように双魔刀をぶら下げる姿勢からぶつけてきた。

ジォヴェのしもべ :怒りの双魔刀  
クラーク     :ジォヴェの楯    0

ギン

クラークは自由なさばきで斧をふりまわす。


クラーク     : フリーハンド  2146
ジォヴェのしもべ : 鬼神のいぶき  651  420

双面の巨人は大地を揺らした。
ゴゴゴゴゴゴ

「おおお、」洞窟の様な建物の中が揺れ続けた。

クラッシュドラム 1563

ドドドドドオゴン!

地面が割れ、クラークは飲み込まれた。

「おおおおおおおおお」

気がつくとエカルテ城の裏庭の草原に倒れていた。

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