平穏な苦悶
1
フィラデルフィア
グーレトシティの隣にあるシティ、フィラデルフィアではアルフレットがマハリクと暮らしていた。
アルフレットジュースとアルフレットリガーは好調だった。
アルフレットは毎日働いていた。
「妻帯者という感じだ」
幾多の戦いで鍛えたアルフレットも力を失った感じがする。
「重い重い…」
マハリクは主婦といった容貌に変化していた。
「あ…主婦っぽくなっている。骨が太くなったみたいに」
「バカなこと言ってないで…」
ジュースをオートコントロールカーに積み込み配達に歩いた。
なにかのチケットをたくさん失い、手に入れたのは妻と自社製品の酒とジュースだった。フィラデルフィアのマンションと。
「ふー、田舎のように落ち着いていて、それでいて白く澄んだ街だ」
高層マンションで夜サッカーをみた。
アルフレットリガーを飲みながら。
「あああ、アルフレットがサッカーをみるとアルフレットサッカーだ」
時空警察領のサッカー選手が闘っている。
ドリブル100mという競技がおまけについていた。
「ドリブルで100m競争か」
2
アルフレットはパソコンで売り上げの帳簿をつけていた。
カタカタ
TVではコインメタトリーのライトアリスタンダー祭が中継されていた。
「時空警察では無しか…なつかしいコインか」
幾多の戦いも今は昔のことのように感じられていた。
エンデパンダンスと戦ったのなどついこの前なのに…
3
惑星バルハル・アルクレオンの城
アルクレオンⅢ世王子の姉ブレアが王子にいう。
ふたりはパズルをして遊んでいる。
「それにしても、あんたがあの魔王を退治するとはね」
ブレアが見た魔王とは魔王の息子バーラルデビルなのだが、王子に救出され城に帰るまで魔法の力で寝ていただけだった。
「寝ていただけだから怖くなかったんだろ。姉上なんか怖くて気を失うくらいの怪物たちと戦闘してきたんだぞ」
「ふーん、あんたがねえ」
王子は思った。
(まったく、魔王も姉上を眠らせていないで少しは怖い思いをさせてくれたらよかったのに…姉上の反省しないのは怖い思いをしないからだ…)
ソロモンの壺が地下室でガタコト動き出した。
ハエのデーモンが封じ込める魔力が弱まったためにとびでて来た。
兵士たちが槍をかまえた。
「魔物だ…」
「おおおっ、巨大なハエの魔人だぞ」
ライトアリスタンダーが小さいブラックパズズを捕え、自らの魔術でパワーアップさせたデーモン、ベルゼブブだった。
城の窓にベルゼブブの顔が見えた。
「ひいいいい」
ブレア姫が悲鳴をあげる。
「あ、あいつは…!!」
ベルゼブブは城の一部をデーモンハンドで破壊して飛び去った。
ズガガガ
「うああああ」
ライトアリスタンダーの要塞のある方角に消えた。
もとの要塞からはもうもうと暗黒の煙があがっていた。
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