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2011年3月19日土曜日

かぶき坊主 その四 「血も凍る刀、冷酒 後編」

かぶき坊主 


その四 「血も凍る刀、冷酒 後編」



かぶき坊主「このふすまを開けば、いよいよ殿様の間だよ、お侍さん」

用心棒「土器怒気するでござるよ」

サムライ「異国風でありながら和風な表現でござるな」


三人「殿様殿。民を欺き私腹を肥やした罪、今ここに問うでござるよ」

サムライ「上様、致し方あるまい。この度の行為、士道不覚悟。

血も凍る刀、冷酒のさびにしてくれよう。いざ、尋常に覚悟!」

殿様「夷狄と防戦するための火器を調達するための越後谷との商談。

それほど気に食わぬか。余も気に食わぬな。お主の職務怠慢し放題。

くわえて余の愛刀『満月』の窃盗罪。

ほれ、その証拠にお主の腰の刀はなんじゃ?なんぞ、申し開きあるかやのう?」

サムライ「武士道に恥あるまじぬようこの二刀流で答えよう。

上様、己の刀の切れ味!徳と味わうがよろしい」

かぶき坊主(お侍さん、何か考えがあるんだね。

ここはあたたかく見守るよ…万が一の時は…その時は…お侍さんを縛って手柄をあげるよ)

用心棒(勝てば官軍…勝てば官軍…負ければ賊軍)

サムライ「必殺ゥ!凍りつく満月の月見酒ェ!」

殿様「西洋火器!四十四まぐなむ!」

サムライ「ハグッ!西洋手裏剣!恐るべし!

職務怠慢は濡れ衣ということにしておくでござるよ。今月の給金!」

殿様「まだわからぬか。お主の給金で『満月』など買えるか。『冷酒』はお主の…」

サムライ「隙アリ!クラェェエェー二頭オロチ!!!」



つづく


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