かぶき坊主
その四 「血も凍る刀、冷酒 後編」
かぶき坊主「このふすまを開けば、いよいよ殿様の間だよ、お侍さん」
用心棒「土器怒気するでござるよ」
サムライ「異国風でありながら和風な表現でござるな」
三人「殿様殿。民を欺き私腹を肥やした罪、今ここに問うでござるよ」
サムライ「上様、致し方あるまい。この度の行為、士道不覚悟。
血も凍る刀、冷酒のさびにしてくれよう。いざ、尋常に覚悟!」
殿様「夷狄と防戦するための火器を調達するための越後谷との商談。
それほど気に食わぬか。余も気に食わぬな。お主の職務怠慢し放題。
くわえて余の愛刀『満月』の窃盗罪。
ほれ、その証拠にお主の腰の刀はなんじゃ?なんぞ、申し開きあるかやのう?」
サムライ「武士道に恥あるまじぬようこの二刀流で答えよう。
上様、己の刀の切れ味!徳と味わうがよろしい」
かぶき坊主(お侍さん、何か考えがあるんだね。
ここはあたたかく見守るよ…万が一の時は…その時は…お侍さんを縛って手柄をあげるよ)
用心棒(勝てば官軍…勝てば官軍…負ければ賊軍)
サムライ「必殺ゥ!凍りつく満月の月見酒ェ!」
殿様「西洋火器!四十四まぐなむ!」
サムライ「ハグッ!西洋手裏剣!恐るべし!
職務怠慢は濡れ衣ということにしておくでござるよ。今月の給金!」
殿様「まだわからぬか。お主の給金で『満月』など買えるか。『冷酒』はお主の…」
サムライ「隙アリ!クラェェエェー二頭オロチ!!!」
つづく
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