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2014年12月27日土曜日

不思議な神軍


時空小説外伝



        
思議な神


お正月特番





1


時空警察のエリア
メガロポリス周辺

その日の朝、目が覚めて人々が活動しはじめたころ突然異変があったようにそれはおきた。
例えて言うなら決定的地震がおきたように。
まず軍人から気がついた。
だが、一般人はまだ何があったのかわかっていない。
いつもと少し違うが学校も社会人も活動の支度をしている。
高圧電流のそばなど冗談がきかない危険がある。その無機質な怖さ。
ふてくされているひと、酔っ払って理性をなくしている人でも容赦遠慮ない。

正体不明の殺気がメガロポリス全域を覆った。
あとからすると複数の太いウェイでつながるデカポリス方面までは異変は伝わってなかったという。
デカポリスとメガロポリスの二大都市をむすぶウェイにはいろいろな仕掛けがあり、単純でなく楽しめるよう工夫がいくつもなされているのであるが、バイパスなどが乱れて走っているようでいて設計図面の段階で知的に計算されているともいわれている。


≪緊急事態発生≫

セドウィックとエパフロデットの二名が出動した。

エパフロデット 「メガロポリスの外れかよ。未開拓地で暴れるとは?」
セドウィック 「ああ、逆に知能が高くて理性ある敵だ。手ごわいかも」
エパフロデット 「それにしてもオレたちニ強がでばるほどか」
セドウィック 「確かに。でも感じる。みぞおちにズーンとひびくこの気配」
エパフロデット 「ああ、戦争の殺気だ」


戦闘用ジェット機にのりこみメガロポリスのはずれまで送迎される。
上空から二人は飛び降りた。

エパフロデット 「あいつらか」
セドウィック 「フン、地球の映画、来来キョンシーなのねん」

敵は確かに中国映画のキョンシーに似た格好をしている。
そして背丈は2mないくらい、横幅もあるが、複数の集団でみな同じにみえる。

エパフロデット 「二人で十分だ。大量生産の人形とみた!!」
セドウィック 「フン、そういいながら、お前のそのかっこう。普段制服も鎧も着ないで私服とかジーンズで戦闘して怒られているおまえが」
エパフロデット 「まあな。念のため」
セドウィック 「オメガスーツ!じゃーん」

着地するやエパフロデットは長身のまわしげり!!
ドフ
体重のありそうな敵は吹っ飛ぶ。
「よっしゃ、戦闘開始だ」

ヨロ…
ゆっくりと立ち上がる敵は適確な動きで、体術を使いこなしてくる。
エパフロデット 「な、なんだこいつら」
セドウィック 「結構人数いるけど、確実につぶしていくか」

戦闘は数十分続いた。
マンデンブルー大佐とジュールは時空警察の本部で司令官を務めていた。
大佐 「うーむ。あのふたりなら十分すぎるはずが」
ジュール 「ここにいて怖いよ。でかい乗り物操縦している感覚だ。動かしきれるか」
ヴィクター 「七人の天使のふたりだぞ。それでまったなしかよ」

エパフロデット 「はぁはぁ、しつこい連中だ。簡単に起き上がりやがる」
セドウィック 「金太郎雨みたいに判で押したようなやつらが…ただの操り人形にしちゃ強すぎるぜ」
エパフロデット 「こいつら…神軍って感じがするぜ」
セドウィック 「結構堪える恐怖心。なみの敵じゃない気がする」
エパフロデット 「得意のオーラの必殺技をつかわないのか」
セドウィック 「ぬかせ…そういうお前も、パンチとかキックしか使っていない。せめてヤマアラシとか…フン」



ぶおーん
敵の放つエネルギーが上がった感じがする。
輝いている。

≪重力砲!!≫
片手を上にあげ真っ黒い墨汁のようなリングを宙に発生させる。
ヴィイイイイイインンン
■■■

エパフロデット 「!?!」

≪ハッ、超重力で封鎖する≫

エパフロデット     ――――…■Δ 「うおおおおお?」
セドウィック 「この体力の不足しているときに!!荷電粒子剣!!」
セドウィックの手に輝く未来剣が握られている。
ズギャ
神軍はさすがに真っ二つになる。

セドウィック 「とうとう使っちまったぜ、たよりの未来剣!」

時空警察隊員 「マンデンブルー大佐!一般人も殺気を感じ始めました」
大佐 「うーむ、どうするか。テモテを投入だな。ふむ、これで話は落ち着いた」
マンデンブルー大佐はテモテの投入に判断の力を割いたが戦いに関してはケリがついたと安心した。
ジュール 「これ以上、戦争気配が強くなったら学級閉鎖だよ」
ヴィクター 「七人の天使3名なら、終わりだな。これで終わった」


テモテが装備を整えて来た。
ヴィクター 「おっ、グットナイトシールド」
テモテ 「ああ、ぼくの戦術には楯はあまり使わないけど…なにかのときに装備していけってさ。でも、オレ剣がグッド・ソードだよ。もうちょい強力な武器がよかったけど…」
ジュール 「今、いろんな武器職人が開発しているよ。そのうち…」


神軍たちは一斉にそろって傾いた。
かかしが踊るように。

【火風鈴】

エパフロデット 「おおおっ」
鈴のような音を鳴らし、火球が落ちてくる。
ヒューン、ヒューン、チロチロリン

セドウィック 「おれたちふたりで大苦戦ってな。あ」
セドウィックの攻撃もぞうきんがねじれるように厚ぼったい衣装の神軍はぐるぐる巻き戻る。

そこに、テモテが落下してきた。

テモテ 「だいじょうぶか。ふたりとも。そんなに強いの?」
エパフロデット 「援軍が来たか…みてのとおり不思議と強い」
セドウィック 「だけど、オレたちも超必殺技温存してるもんね」
テモテ 「そういって時空警察最強の戦士が、顔すすだらけにしているよ」
エパフロデット 「いけ!体力のあるお前が、今のうちに蹴散らしてくれよ」
テモテ 「OK、いくよ」

【爆撃剣】
テモテのグッド・ソードから尖った爆裂のオーラがほとばしり、弧をえがくように半円の敵を焼いた。
ジュガガガガガガゴゴオオオオオ

神軍の6、7体は服が胸元から破れ、焼けた。
倒れるもの、こらえるもの、ダメージを受けてしりぞいた。

敵はバレーボールのサーブのように手に雷球をもって片手ではじこうとしている。

セドウィック 「な!?あれは…?」

神軍は雷球をはじき、バチバチはじけながら三人の時空戦士のまわりにとんでくる。
すると、火花を散らしながら稲妻が四方にとびちる。
雷は空から地に落ちるものかもしれないが、下から上に電子の火花が伸びている。
それが、高圧電流の鉄格子のように三人を邪魔する。

【タパチットパ】

テモテ 「!?タパチット…?」
火花の照り返しで視界も悪い。
腕で顔を思わず覆う。

神軍 ≪ハッ!≫
一斉に動き出し、高圧電流の鉄格子を器用に避けて体術を仕掛けてくる。
エパフロデット 「こっ、こいつら、この戦闘隊形に訓練して慣れてやがる」
セドウィック 「なにいってやがる。戦闘のプロフェッショナルが値を上げるな。やぶれ」
テモテ 「二人で苦戦するのがよくわかるよ」

敵の棒術のような拳や蹴りをよけると電流に触れる。

エパフロデット 「こいつら、俺たちがサルだったころから戦争慣れしてるって感じだぜ」
セドウィック 「フン、ドラゴンフライが星をうめつくしていたジュラ紀ころからかもな」

ドジュウオオオオオ

一斉に雷球がはじけ、辺りを一通り焼き、消滅した。

エパフロデット 「贅沢限りない戦い方だ。見たことない技が次々披露されていくぜ」


エパフロデットのサングラスタイプのホワイトグラスなどをとおして、マンデンブルー大佐に通じているが、テモテの投入でもまだ落ち着かなかった。

大佐 「なんてことだ…!?時空警察の全戦闘能力の35%ほどをだしているんだぞ」
ジュール 「かなり強敵だよ。びりびりしてきた。ぼくかヴィクターまで回ってきそうだ」
大佐 「万が一の時は…ステファノに連絡をしてくれ。待機の用意だ」
ヴィクター 「この空気は…あいつらいったい何と戦っているんだ!?最強の七人の天使三人を相手にして」


テモテ 「!?こいつらの戦い方!」
エパフロデット 「ああ、勝つ気はないが…負ける気もない戦い方だ…!!」

≪重力砲≫
ふたたび、墨のようなリングが手の上にうねりだす。

エパフロデット 「気をつけろ!!」
テモテに超重力の圧がかかる。
テモテ 「うおおおお、重い」
さらに、
敵の手の上に鉄の塊が!
≪鉄鋼石!!≫

ズン!
重力のプレッシャーがかかるテモテにさらに巨大な鉄鋼石が乗せられた!
テモテ 「ぐおおおおおおお!!!!」
テモテは剣を地面に突き立て、両手で支えた。
テモテ 「おおおお、エンジン全開だ」
ブルトーザーのようにテモテはオーラのアクセルを踏み、さらに全身の筋力を使った。
テモテ 「ぐううううう、重い。だらあ」
とうとうテモテは鉄鋼石を放り投げた。
テモテ 「はぁはぁはぁはぁ」

エパフロデット 「よっしゃ、ちょっとだけ必殺技を疲労するか」
【ホールドウォーズ】
背後から首をホールドし、背中にひざをたたき込む。さらにアクションを利用してバックドロップ!

≪鋼鉄拳≫
エパフロデットは顔面にもらった。
「がっ」



とうとうステファノの投入となった。
ジュール 「頼むよ」
大佐 「GO!いってこい」
ステファノ 「イエス、大佐!(イェッサー!!)」

ステファノはヘッドバンドをしめて戦闘機に乗り込む。

宙から降ってきたステファノ。
スタミナにまかせて戦闘を開始する。
エパフロデット 「おおお、次の援軍か。助かるぜ」

ステファノ 「サイコレーダー発動!!ターゲット確認!!ソニックブーメラン始動!!」

八方行に発射されたソニックブーメランは神軍をなぎ倒す。
さらに…!
ステファノ 「おおお、しゃああああプレスローラー」
セドウィック 「おお、鬼に金棒!」

のこりの敵兵も、もう5、6体になってきた。
エパフロデットたちも疲労で油断してきた。

背後から神軍の一体が不意打ち!
【手刀】
ヒュッ

【テクノライトカノン発動】
ステファノの鎧の肩についている装置が、熱帯のラフレシアがぐわっと開くかのように背後の神軍に波動砲を放射した。
グオアアアア!!

ステファノ 「ライトアリスタンダーとの戦闘でも見せなかった。テクノバーストとテクノライトカノンの二種類がある!センサーで自動に敵をマークし、狙撃する。自分にかかる負担はオーラの放出のみ!オーラと自動コンピュータのあいの子の兵器だ」

ステファノの到来で勝負はついた。
…というより、むこうも引き上げる気があったからだといえるが。


唐突で不可解な戦争は終わった…

一週間ほど後…

コーヒールーム

あの不思議な神軍はどうやら千年王国の兵士だということで決着がついた。

ジュール 「ヴィクター…知恵の神エアの声を聞いたよ…」
ヴィクター 「!?エア…」
ジュール 「ああ、ひとことごとにジーンとくる声だったよ。まるで一声ごとに回復呪文をかけられているみたいだった…」
ヴィクター 「…なんていっていた」
ジュール 「もはや、エア神ともなれば一個じゃない。ひと柱というべきなのかい?太陽ほどの広さのある巨大宇宙要塞が話しかけてくるみたいだったよ」
ヴィクター 「…神だからな。それも巨人神。俺たちは天使のレベルだ。まだ」
ジュール 「ああ。彼は個人じゃなく大組織だ」





THE END









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