ポールの戦い
1
ポールは手に入れたスピードソードを眺めた。
後で新品を買う。
匕首(あいくち)といった風貌をもっている。
滑らかにキレ味がよくさらに硬くてもろくない。
ヨナタンは自分の斧技、【樵の斧】を収録し、ソフトウェアとして販売しだした。
「スマートコントロールアクスにおとせば使えるし」
ネオがきいた。
「自分はスマコンアクスを買わないのか」
「迷います」
2
二日後、またアリスシスターが襲ってきた。
ズドーン!
「来たぞ」
「過酷な修羅の修行をして、新しい力を身につけてきたわ…」
「どこで…」ポールがいった。
山を見上げるようにアリスシスターをみる。
アリスシスターは血みどろの傷口を術衣をぬいでみせた。
「うっ、そんなものみせなくていい」
「過酷な修行だな」ネオもいった。
全員恐ろしさの余り凍りついた。
「確かにつらい修行をこえてきた説得力が」
ガクガク震えながらも、ヨナタンがアクスをかまえる。
「ミノタウロスハンド」
傷にならないほどにしかきかない。
「図体のでかい幽霊だ!恐ろしいぞ」
マジックギャルが「ジェネレードソードの魔法をかけますか」と叫んだ。
ポールは「いや、技を使ったときバッテングする」
ネオも「必殺技のとき無効だ。違うものを重ねることになる」
ヨナタンがアクスをみせていった。「これにかけるといいし…」
グルウウン
マジックギャルはジェネレードソードをかけた。
ヨナタンが跳ねる。
アリスシスターの高価そうな首のネックレスがはずれた…
とたん、
ごろん、と首が落ちた。
「ひゃあああああ」
ヨナタンはそのまま気を失った。
スヤ
「わははははは」
ネオとポールは恐怖のあまり笑ったまま動けなくなった。
3
アリスシスターは結局、ザール王子とネオ、ポールが協力しておいはらった。
アリスシスターは無念ながら、魔族の本拠地ネクロポリスへの扉がある惑星バルハルに飛び去った。
それは、長い戦いを予兆していた。
ライトアリスタンダーの残党。
謎の多いネクロポリス。
4
エカルテ城
「大変だったな」
クラーク王の前に、マジックギャル、ネオ、ポールがならんだ。
「わたしは、必殺技と新しい武器を手に入れました」
ポールはブロームイン製のスピードソードをクラークに教えた。
「魔法騎士たちはスピードソードに全部切り替えるそうです」
「なんと…あとで考えてみるな」
「わたしは、新しい呪文を覚えました」
マジックギャルがいう。
「なんだ?やってみてくれるか」
【エメラルドゼリー】
「なんの効果かまだはっきりしません」
マジックギャルが使ってみると、スライムみたいな緑のゼリーがうごいている。
「スライムを呼びだす術?」
みんな首をかしげた。
クラークはブルブル震えている。
「そして、な。なんだか大変な戦いがおきる予感があるんだ。笑わないできいてくれ」
みな、ハッとした。
5
ポールは思った。
オヤジがブロームイン生まれの魔法騎士だった。
そのため、電流の魔法が使える。
母親はエカルテ人のエカルテ娘だった。
エカルテで生まれ育ったためエカルテ軍だ。
いまさら、魔法騎士の仲間になる必要もない。
だけど、魔法騎士の特質をポールは備えている。
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