二層式洗濯機の怪
昭和40年代。
深夜1時。
しなびたコインランドリーのお客は女性一人とこの間の大学生。
薄汚れた二層式洗濯機の洗濯機が3台置いてあります。
「ちょっと、洗濯機止まっているよ。はやく中身どかしてよ」
リボンシトロンの瓶をテーブルに置いて、大学生は返事をします。
「これから脱水なんです。ちょっと待って下さいよおばさん」
「おばさんじゃないよ。まだ30直前だよ。
全く最近の学生は学校で何を教わっているんだか」
「学校にそんな授業はありません。
そっちの洗濯機を使えばいいじゃないですか」
「こっちは、ちょっとヤバいものが入ってる」
「またですかー?もう何があっても驚きませんー」
「ホントに?札束。しかも$で」
「うわっ! ほんとにお金だ。水浸しになっちゃってるけど」
「やばい金だよこれ」
「それはそうですね。こんなところにしかも$で」
「あんた学生だろ1 $って何円?」
「たぶん1 $=350 \くらいですかね」
「HEY !」
サングラスをかけた洋画にでてくる感じの外国人が
ランドリーに侵入し、ピストルを二人にむけました。
「うぁあああああああああ拳銃だー!!」
「マズイよ。見たい映画来週放映だよ。
西洋映画じゃこういうとき、両手を上げるんだよ」
二人が両手を上にあげると外国人が叫びました。
「マネー・イズ・サプライ!!」
二人の顔を洗濯機に沈めると$をもって外国人の男は出て行きました。
次の日の朝、洗濯機で溺れている二人をその日の客が見つけました。
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