元囚人にはひとだかりができたり、
疎遠になったりした。
あるときいわれた。
「心からおれたちのこと親切にしてくれる奴がいいから」
「マンガのためじゃなくて好きでおれたちの面倒見てくれる奴」
「そうそう」
…
なるほど、いいことを教えられた。
こころからか、きっと親切で(マンガを)稼いだ自分は親切な楽園に入れないのだろう…
楽園は心からであり、見返りを期待するものを拒むからだ。
天国の検索エンジンには広告も付いていないのだろう。
だが、地上では労働は尊いことだ。
案外、嫌いなことを職業にした方がいいのかもしれない。
元囚人はあこがれた、心からの親切な仲間
それと
やはり、壁のしみのマンガも欲しかった。
欲しいものが二つになる…
同時に天罰を恐れた。
天の決まり事には自分もさかられない。
つづく…
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