2
さやかは実は学生時代、人と会話するのが苦手で、
周囲に溶け込めず、引っ込み思案だった。
いじめに会ったことはないけれど、
なんだか学校のクラスメイトも教師も不親切だと感じていた。
社会人になってからも、仕事の量の割に給料が少ないし、
いじめられることこそないが、周囲の人は不親切だと、
常に感じていた。
レストランやコンビニ店員など、接客業を何度か転職した。
口べた、だと思っていたさやかだったが、
経験を積むに従って、接客の腕はあがっていった。
仕事は評価されるようになっていった。
恋人もできた。
しかし、なんだか不親切で1年くらいで別れた。
いじめられるわけでもないさやかが、
不親切だと感じるわけはこうだった。
自分だけが不親切にされるのではなく、
不親切なのが当たり前の職場だらけだった。
そこで、自分が親切を始めたが、
今度はまわりから浮くようになって一年くらいで止めた。
3
さやかに自分の店を持てという。
そして小切手に金額を書き込んだ。
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