時空小説を休止してお送りします
読み切り小説
シャカムニ
僧 「どうやって正しい道にたどり着くかなど教えることではないのです」
シャカムニ 「そんなことをいっていたら、何もしないのと同じです。だが確かに論破してやろうという人はいてもきく耳を持つ人はいません」
僧 「だいたい、世界を救うために活動するなど大それています。それに、自分たちも悟れていないのに…」
シャカムニ 「自分の救済のため、自分の力をつけるため修業した方が早いのかも」
僧 「それはそうですが、自分のことばかり考えて救済にあずかろうとしているということになりませんか?」
シャカムニ 「正しく悟ること。これを嫌う人は多い。それに余計なお世話でもある。自分の力を高めることに専念しよう」
僧 「恐ろしい菩薩があらわれて、すぐれた力が欲しければこの世を原罪から救ってみせよといっております」
シャカムニ 「盗まず耕せといったところで、救えるものではない。このまま死ねば極楽浄土がゆるされている。いっそのことあきらめようか」
僧 「それでは最初の議論に戻ります」
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