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2014年1月3日金曜日

蛇女メリーサ








メリーサ










1



銅像の台のようなものに何かのっている。
[奈落の肩あて:これをつけたものはあらゆる能力が落ちる。重しのように肩にのしかかるであろう。あらゆる戦闘が不利になる。すべての敵の強さが+に修正。だが、成長するどあいは飛躍的に増すであろう]

ザールは持ち上げて見た。「なんだ?レベルアップを早めるのか。だが自分にプレスがかかる」
ズン
肩につけると力、精神、知恵、勇気、すべて重りをつけたように重い。
「ぐぐぐ、これだけで苦しい」
世界が一変してみえた。
さっきまでは危険なエリアに侵入していても自信があった。
だが、今は赤子が暗闇にさらされているかのように不安だ。
自分には何の手段も講じる余裕がないかのようだ。
「無理だ、戦闘どころではない」
「ザール王子はずしたほうが」シールドがいう。
「うむ。だが宝だ。もって帰る」

石像がある。
女だ。

かつてザールがブロームイン城で殺害し、幽霊となってザールを悩ませた。その後アリスタンダーの魔力により、スピリットとなる。
そして、ザールたちに消滅させられたが、天界、バビロンでアロンにより転生させられ、メリーサとなる。天界で暮らすが退屈と思っているうち、キルケーに“スキュラに飲ませた没薬“を飲まされ、蛇女となって地に落ちた。
女性版ファウストのように大波乱の転生を送る。

生身の姿を現した。

≪二度も殺された恨み、蛇女となったわが身で晴らしてくれる。生まれ変わった私は蛇女メリーサ≫

ザールはとびのいた。「なんだと、きさまあのスピリット…いや、ブロームイン城の女」
≪覚えていたか…≫

ドーン

オーラの衝突と爆音、そしれ揺れが上のフロアからつたわってきた。

グラグラ

「なんだ。上のフロア!?誰かいかせたな!時空警察か!?なぜ通した!?」

≪ヤツに逆らうと地獄に突き落される。女とはそういうもの。それにあの金髪の少年(ボーィ)血を吸うにしろ、石にするにしろ魅力を感じない…≫

ザール、シールド、ダガー、魔法騎士の精鋭二名とのバトルが始まった。




2


下のフロア

ジムが電話をかけようとする。「どこにかけるか…」
タンクがいう。
「宇宙船にかけるよ。家電に携帯に、車上電話だろ。車にかけたほうがはやいときがあるんだよ」
ここは地球とコインの中間くらいの宇宙エリアだ。
電波はステーションのサーバーを経由しつつしないとつながらない。
「船の電波のほうが外と接触がいいよ」

電話をかけると、≪特別防衛隊は帰還せよとの命令です≫という。

全員降りた。
「どうせなら上にいるやつも倒していきたいぞ」ネオがそういった。
「大組織だとそれができないんだよ。その代り大人数で手分けするから全部自分でやらなくて済むだろ」タンクがいう。
「それなんだ。全部の仕事やらなくても一部の仕事だけで回るんだ。生活が」ネオが新鮮そうにいう。

ドリトスのフロアでタイガータンクが無言でレジスタンスガンを抜いて打った。

ガン…

「どうした」エドアールがきく。
ドリトスの足の破片が蠢いていた。


宇宙船に乗ろうとすると、ザールたちの船も止まっている。


みんなは船のリビングルームに集まった。
メッシュの荒いソフアがあり敷物が敷いてある。
大型テレビもある。
ジムがテレビをつけた。

「エカルテのエアポートまで送るっていうよ」
「助かる」オーブリーがいう。

小型冷蔵庫がある。
「ビールが冷えているぞ」タンクが取り出して配った。
ジムがいう。
「特別防衛隊の専用船をつくってほしいな」
「自分で運転したいだろ」タンクがいう。
「でも戦闘で半死半生になると帰りの運転が困難ですよ」シャノンがいう。

戦闘船なのにベンジャミンが飾られている。

ソフアに腰掛けビールを飲みだした。
「とりあえずアンティンエプル戦に勝利を祝して乾杯」
ぷしゅと缶ビールを開ける。
「うまい」




3



「たなにカップラーメンがあるぞ。カップラーメンがあると、なんでもあるというきになるだろ」
テレビのニュースではアンティンエプルに勝利した時空警察特防隊のことがやっている。
「はやいな」ネオがいう。
だが、詳細は彼らが帰還してからとやっている。
「まだ、報告していないから」シャノンがいう。
「帰ったら報告書をかかされるぞ」ジムが伸びをした。
カップラーメンをガラスのテーブルに並べた。
「オレも食べる」エドアールがいう。
ジムが「お湯を沸かすか」
とキッチンの水をヤカンにいれた。
おしゃれなキッチンもついてくる。
電気コンロで沸かした。
「澄んだ水がでそうだ」オーブリーがながめていった。

ビールを飲むものカップラーメンをすするものそれぞれだ。

オーブリーがいった。
「エドアールはなんで婚約者に緊張しないんだ!?」
「親戚だからだ。いや嘘だ、緊張するな。いまでも。ふたりきりだといいが、周りに人がいたりすると上がって緊張したりする」
ウィーナーがいう。
「従姉妹とか」
シャノンがいった。
「それは…緊張しないくらいならありがたみがないと分析解釈してよいのですか?」

オーブリーがいった。
「しどろもどろになったりするなよ…」
「ああ。…だが、アルバリシアの身長がもう15センチほどひくければ、もっとおちついてられるだろうな」
エドアールがそういった。
タンクがいった。「キャラメルだろ」




4


魔法騎士がライデンソードで斬りかかる。
「とった!」
「ハッ」

メリーサは両手で二人の剣をうけとめる。
【怒りの落雷】

ズワッシャアアアン
高圧電流が放たれる。
魔法騎士はうたれた。
「ぐうう」

745
687

シールドがスマートコントロールアクスでミノタウロスハンドをうつ。
グオン
ドガッシッャア

地面が抉れる!
メリーサはサッととびのいてかわしていた。

【ブリザードボム】

ザールが爆発する吹雪でダメージを負う。
シールドはサイコシールドでキャッチ、吸収した。
数センチ後ろに押された。
ズズ…

ダガーは跳躍してかわす。
ザールが叫ぶ!
「戦闘能力では時空警察の若造に勝てないみたいだな!!」
≪そんなもので勝ってもうれしくもないし…意味もない≫
メデューサの後釜のような蛇女は頭髪の蛇をのばしてザールにかみついた。

「ぐう?」
【生き血を吸う】
600ポイント吸い取られた。

ザールは剣で蛇を斬り落とした。
一撃剣 

ドガ 2310!!!

追いかけるように魔法騎士が襲う。
【石化の術】

バシン…
魔法騎士の一体は石像になり、数メートル後ろに飛ばされ、固まった。
ビシイイインン

「石にされた…」
ダガーがおののいた。

もう一人の魔法騎士はブリザードボムの直撃を喰らい、動けない。

「おちつけ、どうようするな」ザールは跳躍した。
【ライトニングカッター】
ザールは宙でひねってかわすが、おいかけてくる。
「なに!?むお」
ドガガッガ 687




5


エカルテ城


スフィンクスをみているとニュースが流れている。
「…やつら、もうすぐ帰ってくるな」
クラークは眠そうにいった。

トムもみている。
エドガーがいった。「アンティンエプルという暗黒魔人か。エカルテも面目を保てましたな」
クラークがいう。「ここの広間もあるけど…もう一軒構えるか…ドンと。二か所あると便利だろうな」
トムが即座にいった。
「よせよ。体は一つだぜ」



6



ジュールは名前を聞いた。
「最後に…名前は?」
≪神エニゴンモニスタ≫
「…」

ジュールはやまびこの剣をぬいてかまえた。
「手加減なしの全力でオーラをぶつける」
ゴゴゴゴゴゴオオオオ

ピカ
ジュールの体がオーラで輝く。

ドン

ショット…

「グッバイ…」

ぼくには彼がグッナイ(おやすみ)といったように聞こえた。

ジュールのオーラは剣から解き放たれ神エニゴンモニスタにむかっていく。
ゴオン
28654

シュゴオオオオオオ

無限に核反応が置き続けるかのように破滅の神が焼かれる。
≪ぐ、ごごごおごご≫

「ぼくは、自分が弱者のときの立場の…減らず口や身の守り方の技法をほとんど持っていない。だから優勢のままいかせてもらうよ…」


目の前の敵は輝く火の玉のようにビカビカ光っている。
燃え尽きるかのようだ。

第二波がおしよせてきた。

「やまびこの剣の力…」

オーラの津波が神エニゴンモニスタをおしよせる。

18754
17845

≪ぐおおおお≫
「…」
ジュールは剣をおさめた。

目の前は日の出と日没の両方の輝きの太陽の光景だった。
海の波に光が照らされ無限の光景のように揺れ動いている。

じゅごおおおおお

日が沈むように…ジュールのオーラの燃え上がりが暗くなってゆく。
「…」

半神…?



しゅうううう
「!」
≪強大な力だ。神の力のぶつかりあい≫
まっ黒く焼け焦げた腕が伸びてきたように感じる。
「バカな…」



7


吹き抜けの天井が見えないフロア。
水力発電所のダムを底から見上げたようなつくり。

どこまで上にいくと次の世界があるのだろう?

黒焦げのような手がジュールを襲ってくる。
「クッ!!」
ジュールは空を飛んで裂けた。
ぐるううしゅうううう
敵は執拗に追ってくる。

ショット!
ドアアンン
爆発がおこる。

【ダークパズル】
「およっ!?あう、あらっよ、よとおと!」
ジュールは剣をふりまわして奮闘する。
頭の中でパズルを解かされているように思考して混乱してしまう。

「ぬうう」

なおも上に逃れる。
「おおお、くらえ」
やまびこの剣をふるう。
オーラのショットが神エニゴンモニスタを焼く。

【精神エネルギーをドリンクする】
ピピュポポ
「おあっ!?」
ジュールの生命力を吸い取られた。


さらに、
【アイス・ナパーム】

ググググググゴオオオオ
あたりはすごい振動だ。

「液体窒素!」
ナパーム弾は高熱を発し、あたりを焼きつくすが、アイス・ナパームは熱を奪い氷漬けにする。

(半神…にしては強力な魔力!手ごわい。ぼくの体にダメージをあたえられるなんて!!)
ジュールはオーラの爆発を熱に変換して対応した。
「およよっとと」

ボガアアアンン!!!

巨大なシダ植物のような神の手がのびてくる。
【ダークサイクロン】

「う、うわあああああああ」
ジュールは目がぐるぐる回った。

そのときジュールを抱きかかえるように飛びこんできた戦士がいた。
「ステファノ隊員!!」
「ジュール隊員、気をつけて!しっかり。奴は執拗に攻めてくる」

二人は態勢を整え必殺技を繰り出した。

「オーラシュート!!!」
「マックスビーム!」

9999
9999
9999
9999
9999
≪ぐぎごごごごおおおおおおおおおおおおお≫

ボゴオンボゴン

敵は流石に燃え尽き爆発に飲み込まれていった。
【焼失】

「倒した…」
「…」




8



ソバットをダガーは打ち込んだ。
メリーサが体制を整えようと踏ん張る。
クリーンヒットしてサンドバックのように揺れる。

≪精神を疲労するが、いちかばちか“死の言葉”≫
メリーサはダガーの†スリープダガーをよけるために唱えた。


「うぐぐぐぐ?心臓が止まる…」
ダガーはぶっ倒れてもがいた。だが、術が不完全なため気絶ですんだ。
あと二人。


ザールは蛇の髪の毛の攻撃をかわした。
【石化の術】

ザールはフワと後ろを向いて着地した。
≪目を見なくても、石にできるのだ。効き目が弱るが…≫

ピン

ザールの後ろにドリトスのときの…翡翠の王冠の銀の玉が一個だけ浮かんでいる。
ポツ…
≪ハッ…≫

ビシィインンン

メリーサは自分が石となって固まった。
魔法騎士は石化がとけて目が覚めた。

「自分で反省するまで石になっていろ…」
ザールはそういった。



9


ザールは上のフロアに上がった。
「いったい時空警察はどうなっているのだ!?」

ザールはその光景に慄いた。
話の順番が前後しているが、ジュールが巨大焼却炉のような建物をグングンのぼるようにとんでいく。それを悪魔が焼けただれながら追跡している。
両者とも上へ上へとまいあがってゆく。

「なんと恐ろしい光景だ」


■□


メリーサは大神の力により石から解放された。
大神ジォヴェであるのか、その部下の神であるのか…
無要な争いを避けてジュールを通した功績に免じて、メリーサ女王として転生した。

惑星バルハルのギズモンド帝国とも、ハーランドともちがう辺境。
その国の老王は病気の床にいた。
神の言葉を聞き、国の跡取りとしてメリーサを命じてこと切れた。

メリーサは女王として君臨する。
何度か目の転生だった。

神の言葉をきけば、

≪争いを避け、みだりにいさかいを起こさないものは秩序ある世界に生きることを許されるであろう。そのことをまだ理解しないものに教えよ≫





10


特別防衛隊の船

エドアールはソフアでうたたねをしている。
タイガータンクがいった。「さて、シャワー室にいってくるか」
ジムがいった。「また、ニュースだ」

[時空警察隊員ジュールが入院した。だが世界は守られた。敵は焼失した]
「入院するなよ」
「でも、とうとうやったのか」

「これで平和が来る」













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