時空警察ジュール隊員出動
1
「ジュール隊員が出動します」
「うむ」
今度はヴィクターが声をかけた。
「いつもの剣じゃないな。グレードソードはどうした?」
「ああ、やまびこの剣。これで行く。緊張している。しばらくぶりに。指がうまい具合に動かない」
「おまえでか」
「ああ、そうだ。この間の…」ジュールは息継ぎをした。「模擬の軍事演習とは…違った怖さだ」
「援護(サポート)はちゃんとある」
「安心して戦える。だが、それに甘えちゃいけない」
2
アンティンエプル④は…魔剣…
「また剣かよ。殺気でぎこちなくなってきた」
「私の殺気ではないな」
「上の(フロアの)奴のか…」
「…人間はキツネにつままれているから…絶望しないでいられる。すべての真実を知ったとき、そこにあるのが絶望だったら一巻の終わりだ」
「恐ろしいこというなよ」
そのときオーブリーがいった。
「2名棄権してオレが変わろうか?その方が早いかも」
「いや、…オレが負けたら次に行け」タンクがそう返事した。
「このフロアの次に待ち構えているのはメリーサという新米の蛇女だ…道を譲ってやりたいが、たおしていけ!その方が実力がついて上に上がれる」
3
魔剣…
デラックスに暗黒な剣をつきだすように片手で構える。
タイガータンクの目の前で、剣だけになってアンティンエプルは消えた。
シュン…
「剣だけ残して消えた…!」
剣のみ宙に浮いて攻撃してくる。
タンクは槍ではじこうとする。
「重い槍じゃ腕が痛くなる」
叩き落とすとまた、空を飛んでくる。
「しつこそうだぞ」
「マジックハンドってかんじか。タンク!本体を狙え」ジムがさけぶ。
「が」ッ!
みえない暗黒魔人の拳がタンクを殴る。
透明人間になっての体術だ。
「くそ」
タンクは見当をつけてオーバーランスの尻をおもいっきりひいて、ブローをくらわせようとした。
「おっと危ない」
「チッ、かすっただけか…」
気を後ろに取られると魔剣が吠えたてる。
二本のランスの間を走って向かってくる。
「くそ、レジスタンスガン」タンクは槍を片方はなしてポケットから取り出した。
ガン
魔剣ははじかれ地面に墜落した。
4
見えないパンチがくるわ、魔剣が襲ってくるわでタンクは叫んだ。
「くそ、反則だ」
両のオーバーランスを地面に落とし、自分も体術でみえないアンティンエプル④と格闘した。
「みえなくてもつかめばなんとかなる」
アンティンエプルはいった。
「なにごとも、相手が悪いと考えるとそれまでだ。極論まで煮詰めて考えれば脱出の出口がある。相手を恨めばそこで成長が止まる。攻略した時こそ自分になかった力を手にできる。素晴らしいぞ、まだ見ぬ力を自分のものにしたときの気分は!!」
魔人は透明になっていても体は実体だ。
だが、魔剣がゆっくりと斬りつけてくる。
「あいかわらず、助言が好きな魔人だな」
「剣がないときの技!発明したぞ」
首をスリーパーホールドしたまま、ジャンプし逆さにスクリューでねじって相手の頭をたたき落とした。
ホールド・スクリュー・ブリッジ 3457!!
アンティンエプル④は実体をあらわした。
同時に魔剣も動かなくなった。
ドシン
「強い、次の力を見つけるためには自分の嫌なことに気づいて認めないとダメなんだよ。いまわかった。囲碁の定石研究みたいだ。番町皿屋敷やらない人間に財産がたまるっていうのは知っていたけど」
オーブリーがいった。
「次はぼくがでる。セカンドステージに登るには、認めたくない無理あるものを分解して納得しないとないんだ」
5
ジュールはドリトス戦のあとをみた。
広い建物の中は荒れている。
「…」
その上のフロアに上がる。
アイスグリーンザウルスとヴィクターの戦場。
爆発の跡が残って傷ついている。
テレポートの床の模様にのる。
アンティンエプルのフロアを通り過ぎてメリーサのフロアについた。
エレベーターのようにワープした。
見慣れないが、おごそかな…
それでいて美しいというより濁って見える。
そんな造りのフロアだった。
だが、ある種の美術的、芸術的価値はある…
そんなことを考えていた。
吸血鬼の美学のような。
血の美学。
途中まで正しく至り、あとが間違って、もとにもどらなくなったような。
そんな内装だった。
石像がある。
「…」
気配を感じない。
ジュールは目をやったが通り過ぎた。
また上に行く模様。
ワープした。
6
アンティンエプル⑤ VS オーブリー・ウォーター
シャノンは棄権した。
「おまえは…腕が立つな。かなり本気でいかせてもらうぞ」
魔剣をとる。
「やはり魔剣か」
アンティンエプル⑤はくるくる回転するように、魔剣をもってオーブリーに突進してくる。
「マハラジャの剣舞!!」
ギン!
オーブリーはなんとかイーグルフルーレで受け止めた。
が、反撃の余裕はない。
「危ない、高価な剣に傷がつく」
「折れたら弁償してやるといいたいが…」
「高価なものはやっぱり高い」オーブリーは呼吸を楽にとって笑った。
七星宝(しちせいほう)
アンティンエプルはまるで複数いるかのように分身して見える。
舞を舞って、残像が見える。
「…ダブルボディで5人に分かれてさらに残像で分身か…つくづく分身が好きなやつだ」
ボッボッボッ…
七突きの七星宝が残像をつらぬき消滅していく…
やっと本物にヒット 1005…
どちらも地面に着地して、 足腰に力を入れてターンを踏む。
ザ、ザザッ
「七星宝でやっと1000か…」
皇申剣
アンティンエプルをよけるように剣が襲う。
魔人は消えた。
剣だけ残っている。
「そこだ」
オーブリーの剣は見えない隙をついた。
ガオン 6451
「お見事…」
アンティンエプルは魔剣をとるとまた「マハラジャの剣舞」できた。
瞬殺のようになめらかに来る。
見事な太刀筋だった。
一点の非もない。
7
ブロームインではザールが再陣を組むといいだした。
「わたしがひがんでいると段ボール箱にはいってお見舞いの品が届く。王になると任務をさせられるのではなく、自分で考えて行動しろといわれる」
そういって出陣していった。
エカルテでは…
「ザールがまたでたか…」
エドガーがいった。
「エジオン、エカルテとラグナクロク共同軍、ゴールド・ブロームンと時空警察の4チームに組ができあがりましたな」
「ああ、自然になりゆきでな」
「そうだぜ、怖いとか危険だとかで権力が手を結ぶんだぜ」トムがいう。
8
オーブリーのイーグルフルーレは最後のアンティンエプルをつらぬいていた。
「ぐ…」
オーブリーはいった。
「厚かましいようでいて、礼儀がしっかりしている。作法がなっているな…」
「わたしの負けだ。一敗地にまみれたとはいわん。地に伏せて名誉を得た」
「とうとう勝った…終わったぞ」ネオがいう。
9
ジュールは破滅の神と対峙していた。
「怖いんだよ。なんだか。アリスタンダーとは全く違う。お前にちょっかいだしたら恐ろしいことになりそうで。できればかかわらないでいたい…」
…
荒涼とした山脈、それに浮かぶ影にもみえる。
全体が見えない。
巨人の巨大な影
そんな感じだ。
時空警察たちはダイヤモンドの女神とコードネームで呼んでいた。
10
時空警察
「なに!?グッドナイトシールドの研究でスィッチを入れっぱなしにして凍りついた!?」
「ハイ、研究途上ですのでジュール隊員には装備させませんでした。が生命エネルギーをシールドに吸収されつくして仮死状態に」
「太陽の影にならずに夜を造り出す神々の道具かと」
「太陽のまえで夜を…」
11
アンティンエプルはいった。
「これをうけとれ。勝利の商品だ。ウェディングホーン」
「誰が受け取る?」ジムがいった。
「タンクがいった。コインの人たちもいるぞ」
魔人がもう一つ宝を差し出した。「アンティンエプルの壺。私を3回だけ呼び出せる。肝心な用事に使うのがコツだ。そのほうが私もお前たちも都合がいいだろう」
「大サービスだぜ」エドアールもいう。
「それから、グレネードシュネーの魔法これを教える」
魔術の円盤のような地上の書物とはちがう書をわたされた。
「では、気をつけろよ!さらばだ」
魔人は煙になって消えた。
ウェディングホーンとアンティンエプルの壺を時空警察が持って帰ることにした。
オーブリーはグレネードシュレーの魔法を覚えた。
70000コイン煙の消えた後に落ちていた。
コインが飛び跳ねている。
全部拾った。
ひとり10000コイン得た。
「壺と笛は横領するなよ。時空警察に届けるからな」
最後にアンティンエプルの声が聞こえた。
「さっそくホーンをふけ。誰か来たがっているぞ」
12
ザールの船はワープした。
「なんだ、砂嵐が!?」
驚いていると目的地についている。
「あれは…時空警察の船だ。とまっている」
降りて向かう。
ドリトスのフロアでテレポートした。
一気にメリーサのフロアに。
ザール、シールド、ダガー、魔法騎士2名。
「強い花の匂いがしそうな造りだ」
「カタコームのよそおいにもみえる」
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