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2014年4月27日日曜日

マッハールとトマシーナの恋









ッハールとーナの









1


マッハールは酒を呷っていった。
「ハッハッハ、物語に出てくる遠くの文明人の男女なら『もっと落ち着いた店で食べましょうよ』とかいうんだろうがな」

カーターとワトソンは首をもたげて沈黙した。
「だが、オレは文明の未開拓な我が国が好きなのだ。馬頭琴も星雲もあるし、酒も数種類ある。馬も槍もある弓もな。これ以上道具や何がしかがあると気ぜわしい。タオ(気功)がひとつに充満しきらないで四方に発散してしまう」
「タオを使いなさるので」
カーターが興味をもった。彼もタオの初歩を使える。
ワトソンがいった。
「ソフトとかアプリとかギターとかアイテムがありすぎるとそうなんだよな。欲しい道具が足りないくらいが傑作ができる。冷えるんだよ。財布が豊富で何でも買えると。ネット社会なんかいきあたりばったりにモノというのかウェブがでてくるからタオが四散してしまう気がするよ」


2



翌日出発となった。
この部落より人数の多い街にむかう。

重い荷物を背負い歩きだす。
方角は教えてもらった。川の位置も大体。

平らで丈の短い草が生えているだけで歩きやすい大地。
太陽が真上に来る前にワトソンはへばった。
「…休憩」カーターがドサッとリュックをおろした。
水筒から水を注ぎ、携帯湯沸かしでインスタントコーヒーを入れる。
「あー疲れた。ふー、どうするんだカーター」
「うん?」
「もともとチベット旅行が目的だから、まあ達成している。でも、どこにいるのか帰れないぞ。いい加減引き返す方法探しとかなきゃ。夏休みだって制限があるだろ?!」
「まあ、そうだな。沸いたぞ」
ステンレスのカップでインスタントコーヒーを飲む。
汗を背中とお尻にかいたうえ太陽が暑い。
さらに、そこに熱いコーヒーを胃袋に流し込む。
「ううん」
「あー暑いけど冷まったような」ワトソンがいった。

いったん腰を下ろすと根っこが生えてしまい、昼飯を食い終わるまで休憩となってしまった。
「カップヌードルだ」
「水をわけてもらってたな」
ズズズッズズと二人してすする。
カーターは食べ終えるとごろんと横になった。
ワトソンもまねした。

【聖人殺し】×3

静かに無言で三人立っている。今までこんな近くまで来ているのに気がつかなかった。
影がさして鳥の影?とぼんやりしていた。
バッとおきあがる。剣を探り寄せた。
「うわさ通りしつこいな。神出鬼没というわけか」
ひとりはスリープダガー、もうひとりはバーラルナイフ、三人目はギロチンアクスを両手にぶら下げていた。
ゴッ
バーラルナイフのえでカーターの頭を力いっぱいたたいた。
「ぶごっ!?」
カーターはなぜか反射的にかわせなかった。
「ぐぐぐ。タオの呼吸だ」
「カーター、しっかりしろ」ワトソンがステンレスソードをすらっと抜いて鞘を捨てた。
キィン!
ナイフの男の手を狙った。
「ギッチチチィ」
「ぶちあたったぞ」

「チェイ」
バーラルナイフをなげつけてきた。
「ハッ」
ワトソンは地に伏せた。
躍りかかってきて、かかと落としをワトソンに浴びせる。
「ぐっおうっ?!?」
背中からミゾまでダメージがつきぬける。



3



聖人殺しはワトソンにからみついてきた。
しがみつき体重をワトソンにのせる。それだけで、ただでさえ疲労しているワトソンは重くてふらついた。
「くそ、しがみつきやがって」
しかも剣がふりまわしにくい。それどころか手から放しそうだった。

カーターは…
ギロチンアクス
ギリ
よけてよろける…
(ライオンソードだ。エクセレントソードは重い)数歩の距離に置いてある。
二撃目!
サッと飛んでライオンソードをとる。
「今だ、くらえい!」

ショットが複数飛んでいく。
二体とも吹っ飛んだ。
「ギッ」
「ギギ?」


ワトソンはヘットバットをたたき込む。
ドフ!
「ぐふ」
自分も痛い。
さらにわざと倒れた。それもいきおいをつけて。
「ぎぎぎ?!」
ガズ
「…§☆…ν」
「あはっ、みたかい?しがみついてきたお礼さ」

目を回しているうちに聖人殺しにとどめを刺した。
「…ステンレスソード」
心臓に杭を打ち込むようにソードをつきさした。
ぐ…ぐぐぐずぼっ、ぐぐぐ
「ぐへぁあ」
悲鳴とともに血反吐を吐く。
ワトソンはいった。「これでぼくも聖人殺しキラーだ」

カーターはスリープダガーにかすった。
「ぐっ、めまいが、しびれる…」
急いでライオンソードを連発する。
敵は喰らうたびにダウンするがおきあがる。
後ろからワトソンがステンレスソードを頭にぶち込んだ。
ガチーン!!■…ν☆…!!

ドサ
「ライオンショット!」
止め。
勝利!
「おっしーゃー!!」

死んだ“聖人殺し”をみてみると、死んだ魚のようにカッとよどんだ目を見開いて野原に横たわって動かない。
人間の感情がない魚類のような精神構造なのか。
「フン」
「いくら聖人殺しといえ、あまり気味のいいものじゃないな」
「ああ…気味悪いよ」

ふたりは弔うのも変なので土を少し掘り起こしてかけて歩きだした。



4


大きい都にふたりはついた。
「米ドルはつかえないだろうな」
水売りのカメから水を買いたかった。
「異国の客人だね。いいよ」
どうやら珍しいお札に興味があるらしく、米ドルが有効だった。
レートはいい加減だろうがカーターとワトソンは水と食料にありついた。

人通りは多い。
乾燥した野菜や、穀物が売られたりしている。
木彫りの見世物、衣類、反物。

木の板で石を台にして長椅子にした料理屋があった。
イモリの串刺し、タニシを串刺しにして味付けで煮たもの。
二人が食べた。
「腹を壊すと思うから壊すんだ」カーターはガブリと喰いついた。
「貝だろ。味付けはいける」ワトソンも食べた。
外れにテントをたてて休んだ。
ワトソンが腹痛を起こした。
カーターが「セイロガン。日本製だ」と薬をだした。
「助かるよ。水をくれ」
「水は貴重だが…」

ふたりは次の日から地球に帰る方法を聞いて回ったが、つかめなかった。
ただ、メリーサのいる、ワンウリーの街の方角をきいた。
地面に図を引っ張って老人が説明する。
「ありがとう」

いったんマッハールの部落にもどることにした。



5


マッハールの部落では。
「なんだと聖人殺しが!!」
カーターとワトソンが倒れそうになりながらころがりこむと、事態は緊迫していた。
「どうしたんだい?マッハール?」ワトソンは悠長にいった。
「都を焼きはらうと…」
「ええ、だれが?」
「蛮族だ。聖人殺したちが。さらに、おお、恐ろしい。トマシーナをさらって自分たちの妻にすると」
「蛮族とはいえ字が書けるんだな」カーターが矢文をみていった。
「書ける。あっちにしたら俺たちが蛮族なんだ」マッハールが顔面蒼白になりながらいった。
長老のような老人がいった。
「決戦の覚悟はいいかマッハール!?」
「ああ、やつらこのオレの剣と矢にかかって処刑されるのだ。皆殺しにしてやる。明日の早朝、馬で都に向かう」
「いますぐいかなくていいのかい?」ワトソンがいった。
「早馬で駆けても夜だ。聖人殺したちも夜は行動をとりにくい」
「そういうものかあ」


6


マッパールは剣と弓矢を持ち白い馬にまたがった。
「行ってくる」
カーターも馬に乗って一緒に向かう。
ワトソンは馬に乗れなかった。
「ごめんよ。練習すれば乗れそうだけど、うまくいかないよー」
「ワトソンは仕方ない。ここで連絡などを待って頭脳戦をサポートしてくれ」カーターがいう。

二人は駆けた。

一時間以上馬で走った。
上空にマッハールもみたことのない巨鳥が飛空している。
「なんだ、あの鳥は!?闘いを鼓舞しているかのようだ」
高楊しているマッハールは馬上で弓を引いた。
「とどけ、天を舞う鳥よ」
普通なら届くはずのない…だが、奇跡的にマッハールの弓は巨大な鳥をかすった。
その鳥はサンダーバードだった。
コインのブロームインから惑星バルハルのこの大地に飛来していた。

さすがに怒ったサンダーバートは急いでいたので無視しようかとおもったがグルリと旋回しマッハールとカーターの頭上を飛び回った。
「雷の鳥だ!おおっ雷鳴をはおっている。おおい、雷鳥よ!我に力を与え、いくさを勝利に導きたまえ!!」
≪……≫

「オレの女と部落の仲間たち、都が敵の手で焼かれそうなのだ!」
≪いいでしょう。サンダーシャワー!!!≫



                                                                      
ズザザザサザンンンン
雷のシャワーが降り注がれた。
カーターは馬をとめて姿勢を低くした。
マッハールは直撃を受けた。
3425

サンダーバードはどこか飛んでいった。
「おい、闘いの前から、しっかりしろ、黒焦げだぞ」
「カーター…ごぶっ」
カーターは水薬をだすとマッハールにかけた。そして口に流し込んだ。
「はっはぁはぁ」
「しばらく休むしかないな」
「こんなときに」

だが、マッハールはサンダーシャワーの魔法を使えるようになっていた。
















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