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2014年4月4日金曜日

あの日の囚人 第七話

あの日の囚人 第七話


囚人は木の椅子を庭にだしてコニャックを昼間からやり始めた。
休日だった。
なにごともなく毎日すぎていくことを心から神に感謝した。
「海でペーパーバックをめくって海とかプールに入らないのがくつろぐ休日のあり方だ」
本も熟読すると休みの日にかえって疲れるのでめくって楽しむくらいだ。

「自分の端末にドストエフスキーなんてオールドな本がはいっているのがいいんだ」

おもちゃもいいが、本当に読むのかわからない世界文学が端末に仕込まれて持ち運んでいるのが良かった。
「フフン、≪ねじ釘のカルプ≫かマンガみたいだ」
『カラマーゾフの兄弟』がはいった端末を片手に、ビーチのようにイスに寝そべって読んでいた。



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