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2010年10月20日水曜日

二層式洗濯機置き場の朝方

二層式洗濯機置き場の朝方


昭和40年代。

しなびたコインランドリー。

二層式洗濯機が並び、マッチやチャンピオンが散乱したテーブル。

棚の上の缶ピース。

いつもの場所にあるポストの貯金箱。

古臭い、汚れたソファに横になるいつもの大学生。

「おい、起きろ家帰って寝ろ」

「もう、起こさないでください。

4時前にはアパートに帰って寝て、洗面して学校に行きます。

今、眠いんです」

「おまえ、学校かバイトでなんかあったのか」

「なにもありませんよ。ちょっと頑張りすぎたんです」

「なにもあるわけないよな。学生だもんな。ダメだよ起きないよ」


ポタ、ポタ…

「もう、誰ですか水道の蛇口が緩んでますよ」

むっくりおきあがる大学生。蛇口を力いっぱい閉める。

キリッ

「おい、いまキリッて破滅的な音がしたぞ。

少しでも寝ないと明日に際触るから帰るけど、

いたいけな女の子が本当の深夜ここにきて、おまえ起こされるぞ」

消えることのない円形の蛍光灯がぶーんと唸り声をあげる。

だえも使っていないのに洗濯機は小さく振動している。

「うーん。昭和の振動音だ。

いつかはハードディスクの駆動音も懐かしむのか…」

丑三つ時をすぎると大学生は急に目がさえた。

「いや、うとうとしすぎたからか急に目がさえたなぁ」

ガラッ

「わーっ!!ダメだよこんな夜中に女子高校生がー!!

「いや、早朝のペーパーガールです。朝刊250円になります」


「やー、みんなの貯金箱から勝手に払っていいのかな」

「まいど」

「いやー新聞って高校の時いらいだよな。あっチラシもはいってる」

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