二度目のアリスタンダー祭
1
エカルテ城
クラークがエドガーや秘書猫にいった。
めずらしくホワイトさんもいた。
「収入足りないからな。もう少し仕事をふやしてみるか」
「まあ、でもこうして暮らせるわけですから」秘書猫がいう。
「で、なにをすんですじゃ」エドガーがいう。
「そんでエアポートの売り上げ、どうなった?」
クラークは帳簿をめくった。分厚く薄っぺらい紙が何枚もとじてある。
「あ、あいかわらずだな」
「といいますと」
「寒い。ラッキーストーンの売り上げは?」
「どうです」
「いまいちだな」
ホワイトさんがいった。
「いまいち、エカルテ王国も潤いませんな」
「なんかな。最近オーブリーいないけど、みないな」
エドガーがいった。
「旅に出るといって帰ってこないですな」
「そうか。でもライトアリスタンダーたおして危機は去ったしな」
「毎日ご飯は食べられますよね」秘書猫がいった。
「そうだ、アリスタンダー祭やんなきゃないけど、企画面倒だ」
ホワイトさんがいった。
「下請け業者にまるなげでいきましょう。プランを自分たちでしても素人ですよ」
「そうだな、ありきたりで無難なのでいいな。今回エカルテの戦士は…」
エドガーがいった。
「エドアールもオーブリーもさぼりましたからな。ロビンとあのマジックギャルとかいう少女ですな」
「ありゃ!?ポールもいかせなかったのか」
「ですね」ホワイトさんがいった。
「しかし…出る金の多さに入る金の限定さだな」
「そんなもんですよ」
2
エカルテ城
「あの、CMとかでよくあるだろ。なんかハネた連中がぞろぞろと、知らない間柄でしかも約束もしないのに足並みそろえて遊びに行くやつ。あれ男同士だったら連れしょんってやつだな。あんなのいいななんか。あれ相性いいもの自然の摂理でお互いわかるんだな」
クラークは最近王としての勤務姿勢がだらだらだった。
エドガーが咳払いした。
「ゴホン、また、そんなこといっていると国民から遊んでいるとたたかれますぞ」
「…そうだろうな。オレみたいな立場の人間だと口で言いはってないで体現して見せろっていわれるんだよな。そうでないと理屈だけだとか」
マジックギャルがいった。
「そりゃ、女性じゃないですから」
クラークがいった。
「女の屁理屈でもプログラムみたいに動く奴面白いんだ。ホントに動くから。ああいうのききたいぞ」
ネオがいった。
「…人のせいにしているだけだと、プログラムが止まるとか…」
「ああ、…それはあるかな。自分のせいにばかりしてても止まらないけど」
エドガーがいった。
「この彼がもってきた調書にある、アリスシスター…」
クラークがまじめになった。
「うん、…でもなあ、元ゴールドウィン人か。犯罪はなくならないみたいな話だけどな。猟奇事件これだけ少ないだけでもコインはまだましだけどな」
エドガーがひげをなでていった。
「彼女も社会の犠牲者だという声も上がっています」
「どこまでいっても、平行線だな。その議論は。時空警察じゃどうなるのよ、そのへん」
ネオはあいまいに答えた。
「いや…それは、さすがに」
話が変わってネオがマジックギャルを妹に似ているといいだした。
「自分にも妹がいるけど。何となく似ている。ライトアリスタンダーのときからおもっていたけど…」
マジックギャルがいった。
「わたしも…!なんとなく身内みたいに。恋人からは遠いけど血の濃い親戚みたいに感じます」
「え?そうなの?」クラークは二人をみた。
お茶の時間に柿と栗がだされた。
おいしそうにさらに盛られている。
「いただきます」
エドガーは食べなかったが、クラークとネオ、マジックギャルはフォークでさした。
「あががが…」
クラークが柿を喉につまらせた。
「あああ、あまり偉そうなことふかすから…あがが」
ネオが腕を伸ばした。
【チャリティハンド】
「ああ、ったすかったぞ。すまない」
「いや…」
「すごい能力ですね」
3
ヨナタンはグレートシティでステファノの指導のもとトレーニングをしていたのだが、ライトアリスタンダー討伐後、帝国にいったん帰国していた。
そして、ライトアリスタンダー祭として呼び出しが来ていた。
場所は超高層ビルディングだった。
【ユニュークスクレイパー】
「こういう、スカイスクレイパーなんて、ありきたりに足運ぶからありがたみなくなるし。入れてくれないくらいが価値感じられるし」
ヨナタンはこんな外貌が機能的に描かれた立体ビルディングのなかになにが詰まっているのか楽しみだった。
ところが、機械的なエレベーターの通路がある。
清潔だがATM装置が並んでいるところみたいだ。
観葉植物が目立たなく簡素に置かれている。
「あれ、フロントとかは?」
おくられてきたカードをエレベーターのスロットにとおすと自動でその階に運ばれる。
「いや…もっと各フロアになにが詰まっているのか見たいし」
無関係なフロアを往生できないようになっているのか、そのままはこばれた。
「エレベーターが早いから高いのかよくわからない」
そこはバーのようだった。
機能的MRIより強力な磁場がでているのか、上からおしゃれだけど見えない重しをのせられている感覚だった。
はいりぐちのところでちらっと見えた、髪の緑っぽい女の子が誰かと席についている…
人影はそれだけだったような。
あいている席はたくさんあるのに…
「おいこっちだ」
そう呼ばれてはっとヨナタンはその部屋にはいった。
広めの個室みたいなところでテレビモニターがある。
例の如くグラディウス皇帝の挨拶が映った。
セルウィウスをはじめ帝国のメンバーだけでジルすらいなかった。
窓の外は晴れている真っ暗な夜。
星が見える。この位置だと銀河のように空に星が重なって見える。
「天文学を利用して、そのときになるとみえる星空が計算されているとか」
「プラネタリウムでもいいけど」
「そんな都合よくこれないよな」
時空警察では魔王討伐は日常の義務ということでなにもおこなわれなかった。
ジュールは指令した。
「ビジターの動向を観察して…」
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