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2015年5月3日日曜日

アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (20)





アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (20)







1


デスラウェポンの一撃でメラネウスは粉砕されていた…

その光景はスタジアム中の観客をくぎづけにした。
皆あっけにとられ注目している。
テレビ画面を通しても視聴率が最大だった。
アテンションを喚起したのはどうやら、ある種の殺気とか恐怖そのものらしいのだ。

メラネウスは血みどろになって倒れている。
担架に乗せられた。
救命士たちが水薬をじゃばじゃばかけてシーツをかぶせると運ばれていった。

ジュール 「メラネウス!!」
セドウィック 「どういうことだ!?安物の旧式じゃなくて最新のテクニカルウェポンを装着してズタズタにされるって?」

エドアール 「学習塾なら絶対合格できる教師だ。あのグラースゴウってでかいのは」
アルキポ 「あんなの見せられたら、怖くて次戦いたくないぞ」

よそ見しているものも珍しいくらいだった。
授業でも試合中継でも人間にとって恐怖や殺気は調味料のようなものなのかもしれない。
たとえ授業中退屈している人でも無言で注視してしまっている。

第三試合はグラースゴウの勝ちだった。



2



マンデンブルー大佐は青ざめながら腕を組んでみている。
そのとき男性の隊員が伝えにきた。
みんな 「全治二カ月!」
マンデンブルー大佐 「まあ、そんなものですんでよかった。命は救われた」

さらに婦人警官がやってきて情報を伝えた。
マンデンブルー大佐 「なに!?特別防衛隊 ランクA発足前夜!?しかもフルコミッション(完全歩合給制)でいくだって!?」
セドウィック 「あの、発足がおくれているっていう特防隊がか」
マンデンブルー大佐は頭を抱えて悩んだ。
「ああー、投資銀行や生命保険の営業じゃないんだよ。フルコミッションなんてやっていると特防隊はひとり歩きをはじめるぞ!!」
エパフロデット 「なんか、噂だと特別防衛隊ってまえから時空政府から独立しているみたいな目で見られやすいんだよな」
テモテ 「なんでだろ」
セドウィック 「オレたち骨の髄まで時空警察にとけ込んでるところがあるからな。にゃおん!!」
ジュール 「七人の天使は時空警察の中核に位置しているからだよ」
セドウィック 「ていうのか、オレたちが主催者サイドってわけか」

マンデンブルー大佐は冗談めかして、くたびれ果てたようにいった。
「もう私も体が動かなくなってきたよ。ジュール君…」
「大佐!」
「ちょっとあっちに行って休んでくる」

マンデンブルー大佐は通路を歩いて大佐専用のリフレッシュルームにはいった。
[大佐以外のものが入るときはノックのこと]

ガー、シュオン
自動ドアが閉まる。
中は狭いがソフアやテレビなどが設置されている休憩用の小部屋だった。
あっちの端には無料自動販売機がずらっとあったが、大佐は飲み物を飲む元気もなかった。
「ふー」と煙草に火をつけ灰皿を引っ張った。
どっしりと安楽椅子にこしかけ、疲れ果てたように目を閉じた。

(もう実戦の戦闘は無理な歳か。それとも実務が重いので体が重いのか…)
煙草の火を消した後、マンデンブルー大佐は30分ほどうたたねをしていた。
ふと、携帯電話の呼び出し音が鳴った。
それは珍しく鳴る、変わった音だった。
すぐ大佐は気がついた。
娘からだ。
マンデンブルー大佐の娘は今は離れて暮らしているけど、娘がいると世間が広くなったように彼は感じる。
血ぬられた戦争と実務の時空警察での職務に対して娘から伝わる世界はしらない明るくて楽しい世界だった。なぜか妻だと自分と同一の世界にいるという感触がするのだった。
テレビに出ていたグレートシティの小料理屋に今度誘ってみようかと思った。

「ネクロポリス!?」
大佐はニュースで戦争のネクロポリスのことを娘がいっているのだと思った。
「そうじゃなくてテクノポリス!?」

大佐は休憩室をでるとジュール達に話した。
「テクノポリス計画だって!?」
「どこでやっている。新聞に出ているか。私の娘がなぜか知っていた」
「大佐の娘か」
「時空警察も大組織だからいろんなところから思惑がおきてくるよ」
マンデンブルー大佐たちはネットなどをみたがはっきりしたことは探せられなかった。

どうやらテクノポリスというのはテクノロジーを優先させて、それを体現化したシティらしい。それをグレートシティやデカポリスとまたべつに造ってシティにするという。



3


アルキポ 「もう時空警察本部は敵にゆずらされるなよ。オレがかたきをとってきてやる」
アルキポはスポと兜をかぶった。
【音速カブト】

エジオン

アルセウス、アラン、ファジオがテレビモニターでコーヒールームに集まってみていた。
「この試合中継はリアルタイムなのか、パーカー」
「さあな、150時間くらいおくれてとどいているんじゃないのか」
「私と同じ音速カブトだ。思えば時空警察にいったとき手に入れたものだった」

さらに
地球・アメリカ・オレゴン州

地球ではアガメムノンとの戦争は伝わっていなかった。
そのころ地球ではiWatch(アイウォッチ)の発売とかおきていた。










アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (19)





アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (19)







1



第三試合:アルキポVSガーラド

ところが…

「アガメムノンサイドが第三試合と第四試合の順番を逆にしろといってきている!?」

アルキポは憤慨した。
「試合をいじくりすぎだぞ。おまえらの私物じゃねえんだ」
エドアールもそう思った。
「確かにそうだ。一方的だぜ。でかい組織は確かに直通で指図してきたほうがいいときはあるけど、おもちゃじゃないんだ」
メラネウスがいった。
「誰なんですかね。くじ引きにこだわる気もないけど」
当のアガメムノン本人だという。

あとあとわかったが、このネクロポリス連合軍の総大将アガメムノンにはしびれを切らすと我慢できないたちの性質があったという。

マンデンブルー大佐は考えた。
「試合に参加しているメンバーももめているよ」
ジュールが心配する。
エパフロデットが口をはさんだ。
「わかる気がする。向こうの目的は戦争なんだ。試合もだんだんもりあがらなくなるのはなぜだ。はりあいがないんだ」
テモテもいった。
「互角の戦いでゆったりしている気分になるんだよ」
「そうじゃない。戦争だったらぬきさしいかないプレッシャーがある。この試合はどうだ。勝っても負けても何がどうなる!?」エパフロデットはそういった。
「賭けないと面白くないみたいな話か?チェスでもそうかも」ヴィクターがいった。
「そうだ。純粋に勝敗になにもない。ただ争って終わってもなにもないんだろ」
「わかった、向こうに打診してみる」
マンデンブルー大佐は理解した。
結果勝った方にはなにがのこるのか?

アガメムノンの主張はこうだった。
こちら側が勝ったときはマコを返してもらう。

「うん、こっちが負けたら帰ってもらおう」
マンデンブルー大佐は納得した。
「こっちが勝ったら?」
「それでも帰ってもらえ」
ヴィクターがいった。
「いや、せっかくだからネクロポリスの偉大な知識を教えてもらおうよ」
ジュールがいいだした。
「ジュール!?」
「秘宝をよこせだったらがめつすぎる気がするけど貴重な情報と交換ならスリムにいくきがするんだ」
「なるほど」セドウィックが感心した。「それでなんの情報を」
「それは…」
「まあ、それはともかくこれで勝敗に釣り合う重みができたわけだ。戦いに張り合いが出る」
ヴィクターはそういってその場を離れていった…



2



アルキポはまだ納得していなかった。
「かー、敵の権力者の都合でおれ達の試合が勝手にかきかえられるのかよ」
メラネウスがなだめた。
「まあ、ここは私に免じて」
グラースゴウ
メラネウス
巨体で体力と破壊力の狂戦士。もはや異形の鉄の塊の兵器デスラウェポンをくりだす
時空警察に勤務している。実務と戦闘など幅広く活躍



第三試合:グラースゴウVSメラネウス


「時空デパートに注文していた新製品!昨日届いていた、よかった」
テクニカルウェポンの装着パーツ。
最新型の銃口とカッター。テクニカルウェポンは野球グローブのように片手にすっぽりとはめて闘う兵器だ。中にグリップがあり、しっかりと握れる。
メラネウスの注文した新型はビームライフルと実弾が同時に発射されるタイプで、カッターもスタンガンのようなしびれる電撃がプラスされているタイプだった。

「高かったんだぞ。頼むぞー」
メラネウスは軽く準備体操をしてリングに上がる。

一方敵のグラースゴウは?
巨体をおもそうにひきずり、SL機関車を感じさせる。
両手は素手だった。

試合が始まった!




3



メラネウスはしゃがみ込み、標準をさだめると連射した。
「ひと眼見て勝てない相手と悟った。しからば、次の戦いのため力をできるだけ削ぐのが使命!!!」

ズガガガガッガッガガ
最新のテクニカルウェポンの砲撃はすさまじかった。
ビームの熱で煙があがり、実弾の振動とグリスが焦げるような匂い、爆音。
ドガガガガガアガ
あたりは一瞬にして戦地のようになった!

グラースゴウは2分以内に900ダメージを8回分受けた。
ドパパパパパパパ!!

それでも敵はふんぞり返り立っている。
雷雨の中たたずんで、雨粒がレインコートからはじけている人のようだった。
そしてゆっくりと胸のプレートの部分に装着されている小型のジャベリンをはずした。
ガチャコン

「フン」

怪力でジャベリンをメラネウスに放り投げる。
ブン!

メラネウスは射撃を止め、テクニカルウェポンのバリア機能でガードした。
「シールド・オン!!」
ブオオンン
バリアがジャベリンをはじく。
バリン!
グラースゴウのジャベリンはバリアでなんとか防いだ。

ジュールは見ていてあせった。
「あああ、メラネウスのテクニカルウェポンはあれは旧型じゃないよ」
「最新型のやつだ」テモテがいった。




4



「ホウ…!?」
グラースゴウは声を上げると戦略を転換した。
「デスラウェポン!」
そう叫ぶと超重量の巨大兵器を握っていた。
野牛の角のような武器。中央がグリップになっているような。それの近代的デザインに進化したような武器だった。シンプルだが赤と青と白の鮮やかなようで色の薄いデザイン。

グオ!

ありったけの破壊力でデスラウェポンをメラネウスに叩きこむ!!

「くおっ!?一か八か切り込む!」
メラネウスはテクニカルウェポンを構え飛びかかった。

ズガ

一瞬にして勝敗はついていた。







アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (18)





アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (18)






1


フォールスチャートはナノテクノロジーを駆使したような精密なフォークやドリルを組み合わせたような指先を動かしながら語った。
≪どちらも、反則の力を使おうとした。細かいことはいい。ダブルアリスタンダーにスタジアムごと爆破されたくなければいうことをきけ!ダブルアリスタンダーの5号と6号などすでに完成済み!≫

フォールスチャート
いわゆるメカロス。武人系統のボスと質が違うが部下がいるボスキャラ。バイオテクノロジーに関し知識はあるが無関心だ。


スタジアムにはどよめきがおきたがやがて沈黙に変わった。

ステファノ 「第一試合は両者くりこし。第二試合はどちらも失格か…」

エドアール「いわゆるメカロスだ。新しい武器やメカの発明で部下をガバナンスしているタイプだろう」
アルキポ 「なんで魔界四武者があいつに従っているんだ?」
グマーズ・マウ 「それは…戦闘で肢体を損傷したとき、代わりになる部品の機械を補ってもらうため…」
メラネウス 「なるほど、キャラが違うように感じたが」
ウッドデック 「マシーンのモンスターだけがやつの部下ではないということだ。失格か、まあいい。ここから先は見物させてもらうぞ」
 
ヴィクター「やつがダブルアリスタンダーを製造したのか」
テモテ 「なんか白物家電って感じのロボットだったよ」

試合は休憩となり、観客は席を立ったりバラバラになった。

テモテ 「でも、あのスペースブレイクショットって全力で撃ったらすごい破壊力になると思うよ」

トラの帽子の男 「なんかスト2みたいな…闘うと楯がなくなっていく格闘ゲームみたいだったかやがや…」




2



ネクロポリス戦記といいながら、スポーツの大会みたいなおっとりしたムードになっている。
だが、これはギリシアの半分神話、半分史実とされるトロイア戦争をモデルにしているのである。
かの戦争は今では骨子がのこっているだけで詳細は散逸して不明とされている。ホメロスのイリアスなども存在するが。
だが、その骨子をみると、当時の人の武人の考え方は意味不明に感じられるのも確かだが、時空小説みたいに陰惨な戦争というより、武人の埃を競うような、悠長なところが感じ取られる気がするのである。敵ながらあっぱれというのかお互い力をひけらかしているだけみたいなようにも感じられる。子供の意地の張り合いみたいな個所も。
残された骨格からトロイア戦争を積分して復元してみるのもおもしろいのであるが簡単ではない。




3


グラディウス帝国のセルウィウス。
横目で時空警察のネクロポリス大戦をみながら、彼は夢中になっているものがあった。
高エネルギーのレーザーをあてると時空にひずみが生じ、イデアの世界を盗みみれるのである。
この実験に夢中で戦争のことは彼はやや無関心だった。
その実験であることがわかった。
ギリシア神話、ヘシオドスの「神統記」。この世のはじめには混沌であるカオスがあったが、ガイアとウラノスがカオス(混沌)から生まれた。だが、実はその前にカオスからエロスが生じたとある。プラトンはそれほど初期から存在するエロスとゼウスから下ってアフロディテの子、エロス(キューピッド)を分けて考えた。万人向けのものと天上のエロスと。

このエロスは実験によると絵空事ではない。ゼウスのような人格神でもないようだ。
どちらかというとイデアの世界のような「設計図」の倉庫であるようだ。
ウラノスやクロノス、さらにその子のゼウスなど、偉大なる男神がその苦労の果てにみいだした世界。その世界における「設計図」。
男らしさの型のようなもの。
女らしさの美徳、優雅、規範、からくり。
現代におけるマンガ博士にある意味近いのである。
武術のあらゆる型。社会経済の素晴らしいルールの型。科学技術・魔法技術のあらゆる歴史的に価値のあるもの、文化、芸術、もろもろの価値のあるもの。

それは男と女というふたつの純粋な水晶球のようなものがあるらしい。
エロスはその二つの吸引力ということになっているがあいまいに広い意味に使うと文化の型なのだ。

ともかく男性機能をつかい鍛えるとその純粋な魔力を持つ水晶球のようなものからデータをダウンロードできる。
女性らしくすれば、女性の型がダウンロードできる。
自分で開発してもいいが、歴史的に太古の、それこそカンブリア大爆発のころ別の惑星でも超文明が残した遺産を手に入れることができるようなのであった。

とにかくゲイがいい悪いというのではなく、男と女の機能しかこの世に存在しない。
見渡す限り天の上をのぞきこんでも、この二つを極めることが限りなく続く。
これ以外がでてくるのは100景年先の宇宙か、時空の見えない果てだろう。

セルウィウス 「無尽蔵にダウンロードできればクロノスの黄金時代のような素晴らしい文明が再現できる。だが…ポテンシャルが高い。それは不安定で危険だということを意味している」
彼はイデアの世界、エロスのふたつの文明にみとれている。

「レーザーをあてた個所は空間がゆるくなっている。しばらくの間。そこを“苦”を代価に支払ったものにのぞかれやすくなる。別にこっちは困らないが。やはり太古に滅んだ超文明の遺跡なのだこれらは…」
天念の現象であらゆる創作家、発明家はイデアの世界をのぞこうと意識せずに考えているようである。

気位がイデアの世界をのぞく鍵になっているという見解もある。
向こうは蜃気楼のようなホログラムのような残留思念であるかも知れないが…
えり好みをするのである。
自分と気位を同一にするものにのぞかれやすいという。
つまりは向こうの機嫌を損ねると覗くのを拒否される。
自分と気持ちが通じるものが見えてくるのであろう。

セルウィウスは画像をみていた、ライトを次のイデアにむけると拒否されたかのように…ぶくぶくと海草が泡になって消えるようにちぎれて消えた。

(笑って消えた…?こっちをバカにしたように)








2015年4月25日土曜日

アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (17)





アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (17)








1



レベルラハムは無意識のうちにモニターに映るアルフレットとウッドデッグの試合をながめながら、カクテルを口に運んでいた。
身につけた宝石が無音でチリカラなる。
「……」

いつしか、忘却の彼方にあった昔の思い出を思い出していた。
それは想像を絶するほどの過去だった。
今いる宇宙など今と違っていた。
宇宙の果てアンシャルとキシャル、そのまた無限の果てラフムとラハム。
マハーラタの実年齢など三億歳をこえるだろう。計量不可能だ。

当時のレベルラハム(マハーラタ)はラフムの妻であった。
風通しの良い、心地よい光の当たる室内。
ナタデココを食べていた彼女はいった。
「ちょっとこのナタデココ甘過ぎない?」
彼女はスプーンを置いた。
「夏バテか」ラハムはそういってみていた。

彼女は終始倦怠感にとりつかれ、その地位の高さにもおののかず、溜息と嘆息が混じりがちの日々を送っていた。要するに彼女は神経が丈夫すぎたのだ。

夫と夫の妹ラハムの創った世界をながめてみて平和だが退屈だと密かに感じた。
(戦争でも起きないか…)
するとたちまち本当に戦闘がおこった。
当時の異世界の大戦。
異世界の長寿の魔人ディアボロス。

宇宙船艦のような魔人だ。
やつは自分の体内が建物のようで、
自分の兵士や民を体内に住まわせている。
文明が巨大な魔人の体内におさめられている。
ラフムとラハムに攻め入らせるな。

エイリアンのような、ダリのよく描く溶けた人間のような頭部。
飛行機と人体の融合した線形なボディ。
一風変わった魔人がラフムとラハムの世界をおびやかす。

あとでたっぷりと後悔したマハーラタだったが、自分が戦争を巻き起こしたは大げさだったかもしれない。
心に呪った罪をほんの少し後悔することになった。
その戦争の災禍はひどく。マハーラタの日常を苦しめるほどだったというわけだ。

その当時の淡い記憶と思い出。
その全部ではないにしろ、感傷を感じる一幕を宝石は記憶していた。
すべての宝石は時間宝石のようにその人をめぐる人生を吸い込み、音楽のアルバムのように結晶にする。
たったいまも、彼とレベルラハムのデートの一景を静かに光る宝石が吸収しているのだった。
滅亡して生まれ変わったのちの彼女がこの宝石を見つけ、過去を思い出し涙するのかもしれなかった。
[Date:古代ローマの手紙で日付の前に発信地を示した。どこどこにて、何日に与えられたと書いたことから。(ジーニアス英和辞典より)][どこで…誰と…]




2



バラモン教典の『バガヴァッド・ギータ―』のように、神々が哲学的論争を争いながら対話するものを描きたかった。
それはお互い、どちらの主張が正しいのかいい争い、クリシュナのような清涼な神たちが空中をたずさえ上る。
剣と剣の勝負。光と光の勝負。
武における戦いと違い、神々の争いや戦争とは哲学的論争なんだよ、というのを。
アルフレットとウッドデックの半神どうしのたたかいはどうなるのやら。
おもえばボードゲームからビデオゲームなど、闘いには種類がある。
素手での拳闘、剣、銃火器などの戦闘、パズルや知恵比べ、なぞなぞなど、ポーカーのようなカードゲームによるバトル。
力比べには数種類あるといえるが、いくらでもでてくるだろうか?
いろいろ集めてみたい。


さて、
アルフレットはもがいてゾンビの軍隊をはじきとばしつづけた。
「がぼ」
ウッドデッグは語る。

「人間生きる上でだ。頭を下げるのはだれしも苦痛なはずだ。だが!頭をあげているだけの奴を見て面白いと思うのは短い間だ。そう思わんか?」
アルフレットの分身の4人はゾンビにもまれながらいった。
「もご、そうだな。わかる。かっこつけてるだけで墓穴を掘りそうなやつにみえるんだろ。バカって自分をわきまえないで空威張りしている」
「フン、そのとおりだ。誰でもだ。頭をあげたまま生きていられるやつはいない。どんな絶対者も力を高めるためには頭を下げる。読書など、相手に頭を下げなければ頭にはいらないものなのだ」
「学者なんかそうだ。専門書なんて権威や著者に頭を下げていないと頭にはいらない。だけど、発明や発見なんて頭をあげていないとできないんだ。音楽でも体育でも先人から学ばないと自分の力がつかない。だが頭を上げないとオリジナルが発揮できない」
「そうだ、剣や武術も師範に頭を下げない奴は身につかない。だが、下げているだけだと自分は取り分が少なくなるのだ。頭の良さそうなやつは頭を下げる相手とあげる相手のバランスがうまい。どうだ、お前も俺の軍門に下りオレにひれ伏すのか?」

「どこで頭を下げてどこで頭を上げるかか!?奈落の肩あてをはずしてあばれるしかないか」
ピカ
「ムッ!?」


トラのぬいぐるみの帽子の男 「わかるきがする。頭下げない奴いきがっていておもしろいけどすぐうまくいかなくなる。スマートなソフトみたいな人間って男でも女でもかっこよく頭さげてうまく頭上げる。なるほど、力身につけるためには頭下げないとないのか。オレも工夫してみる」

アルフレット 「おまえの軍隊の秘密!?生命体を呼び起こすのはできるが、そこまで!半生命体みたいなゾンビにするのがやっとなんだろ」
ウッドデッグ 「ムッ!気づいたか。それがオレの今の力の限度…」

そのときスタジアムの巨大モニターやテレビの前画面にフォールスチャートが映った。

≪試合は中止!どちらの戦士も失格とする…≫

観客たち 「えー」「いや、やらせろ、そのままでいい!」「なんでだよ」「誰だこいつ」










2015年4月20日月曜日

アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (16)





アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (16)







1





ゴウ!
ブムンノオオオオオンン
不気味な駆動音とともにアルフレットのスペースブレイクショットは走った。

デッグシールドをかまえ、万全を防御に注いだが!?

ドゥギャ

【スペースブレイクショット】

1542

ウッドデッグはふっとんだ。
「ごう!?この力は!?」
歓声が上がる。
「おー」
どよめきがおきるが、肉眼で確認できるくらい衝突がおさまると、デッグシールドは静かに燃えている。

ウッドデッグ 「我が楯を失ったか…」
胴体にも亀裂が走っていたが、楯を失う代わりに深くない。

アルフレット 「こんなもんか…それでもお前の力をそいだ」
ウッドデッグ 「フン…」




2



観客席の虎のぬいぐるみの帽子をかぶった男は叫んだ。
「ウッドデッグ~学生みたいだぞ―」

アルフレット 「確かに…その歳でこんなに強いのかって感じもするけど。実際、いい年のおっさんみたいな感じもする。オレの父より年上かも。半神を名のる貴様は何歳なんだ」

エドアール 「哲学相撲…」
ウッドデッグ 「1045歳だ」
アルフレット 「なるほど。納得。俺たちと寿命が違うから比較できないのか」

ジュール::3000歳以上。人間の年齢に換算すると三十代。ヴィクターも同じ。
アルキポ::20代前半。実際生まれてからそれしか経っていない。

ヨナタン 「実はおれもだし。こういうとき臆病になって自分だけ標準だっていいはるとあとではずされるし。たぶん400歳とかだったはずだし」




3


観客席のステファノは試合を見て考え事をしていた。
(文学相撲…、あの二人に問うてみたい。ニュータイプであるゆえの苦悩…黒くて甘いカラメルがかからないプリンを誰が食べるだろうか…)




4


ウッドデッグはウッドブレードを片手で高く持ち上げみつめた。
「ジェネレードソード!」
ぶーんんんと低く唸る。剣の刀身が鈍く光り、そのまま定着した。
ウッドデッグは楯を失った代わりに両手で剣を握り、ビュンビュンすぶりした。

「さて、いくか」
片手で剣を握り、片手をアルフレットにつきだす。
「フレイムボム!!」

ボッボッとやや小ぶりな火球をいくつも発射した。
「ムッ」
アルフレットは疾風(はやて)の構えだ。
重たい石のような剣、アウトセーバーを片手で突き出し、おってくる攻撃をなぎ払うための構え…



5



レベルラハムと複心の男。
VIPルームで葉巻をふかしていた。
しゃべる気力もなく座りこんでいるが…
(ふーむ。こんな試合になったか…第一試合が終わり、第ニ試合)

彼はこう考えていた。
競技の試合が盛り上がるのか、盛り上がらないのか?
観客である自分たちの熱源。燃料というのか。
その正体が何かは不明だが、もちよりのようにまきをくべている。
燃え盛る競技の大会という炉に。
自分たちの一票のような燃料が燃やされてなお、大会の炎が小さいなら、自分たちのデートもまたもりあがらないだろう。
大会の観客は大人数なので二人だけのデートと違い結果が明白ではないが。
なにかの催しがもりあがるかどうかは、人のせいにできない。結局自分たちの燃料をくべる意思なのだという哲学だった。
彼は試合がもっと白熱するように念じて見た。
さて、試合はどうなるだろう。




6



アルフレットは疾風で火の粉をはじくのに精いっぱいだった。
「チッ、タイムラグでフレイムボムをはなちやがった」

ウッドデッグはそのスキ。
一回転して剣撃をうってきた。
剣の太刀筋を読まれにくくするためだ。

グオ

「おおおお、しゃあー」
ガ、ゴギイイイン
「クソ、危ない」
アルフレットは奈落の肩あてで体をねじり剣を受けて見た。
(なんとか…防具としては生きている!!)
だが、ウッドデッグのジェネレードソードの魔法がかかった剣はその下まで切り裂いた。
ビーッ!

1574

「ムッ、あの変なプロテクターでふせぎやがったか、だが」

アルフレットにダメージはあったが…




7


エドアールが割って口を入れた。
「だから文学相撲はダメなんだ。ぬるい戦いになっているぞ。全力を出せ」

アルフレットも声をだした。
「確かに…お互い手加減して戦うのが身にしみついているらしい」
ウッドデッグもうれしそうにいった。
「それなら、全力を出すか。生まれたときからわが身に備わっている霊力」
ゾゾゾゾとあたりの空気が死臭につつまれたようだった。
紫と赤と黒のオーラ。
「ゾンビオーラだ」
腐った死体のような、地獄の血の池のような匂い。

「そこらに漂う、死霊や、霊体、スケルトンやゾンビに仮初の生命を呼び起こす呪法!」
ウッドデッグの片腕の動きに呼応するように、そこらの空気中に存在する霊が動き出した。

「さあ、貴様の軍隊をみせてみろ!!」


これがオレ様の軍隊だというように、骸骨やらなにやらがずどどっと襲いかかる。
アルフレットは考えた。
(オレの軍隊だと!?)


アルフレットはゾンビの軍隊にとりかこまれて、もみくちゃにされた。
「う!?おおおおおお」

ピカと光る。
ズオッとはじける。

「アウストロクロス 90%」

さらに「自分の軍隊!?これしかないか」
ダブルボディで二つに分かれさらに分割した。

【四体戦士術】

ひとりはアウトセーバーで、もうひとりは正義の剣で、もうひとりはアルフレットボールで、四人目は格闘術でゾンビの軍隊と乱戦した。

「おおおおお」
「グロテスクだ!!」
「やってしまえー」












2015年4月13日月曜日

アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (15)





アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (15)








1



「こんなもんかだと」
ウッドデッグとアルフレットはまた間合いをあけてしゃべりだした。
「このウッドデッグは半神、半神なのだ……!!」
「ほう、半神だったとは」

「半神、半妖のわが身…」
「神になったとしたらどうなのか?」
「神を自分でやるととんと力が及ばないのだ…半神になりたての妖力」

ウッドデッグは戦いを停止したままなおもしゃべりだす。
「外部の環境…外界をコントロールする様になる。観察し、自身の体調に合わせて、自分の内部の都合を考えた上で」
「それで?」アルフレットはきいている。
「ステレオのイコライザとかつまみをいじってちょうどいい環境にするように…クーラーの温度を敵度に合わせるようにコントロールできるまで成長する。すると」

アルフレットは立ったままきいている。
「すると…あとにくるのは無だ。自分で書かない限り無になる。外が与えてくれるシナリオをコントロールして打ち消せる罪と罰なのだ」
「なるほど神対決というわけか」

青い顔をしたウッドデッグは剣で襲いかかてくる。
「アウトセーバー」
アルフレットが叫ぶと、雷鳴の爆音とともに大きな刃のついた剣がにぎられている。

ステファノ 「どちらも剣と楯だ」

両方とも剣と楯で防ぎあるいは剣同士がぶつかり、とびさがり、のしかかったりをくりかえした。

退屈な試合だとも、一般的な打ち会いだともいえる。
会場は適度にざわめき、視聴者の関心はまあまあだった。

ウッドデッグは敵の金髪は自分よりややでかい。
奢ってやるには簡単な相手に感じない、かといって一刀両断するのも難しい相手だと感じていた。
アルフレットもなにか魔界の青い顔の青年にサービスをしてやりたいが、自分との実力差では難しい。なによりお互い本当の力を押さえている。

なんだか、小難しく、下手をすると陰険になりそうな戦いがつづく。
お互い優雅な闘争のようにはいかない力の差だったのだ。
おさまりの悪い関係でもあるが…みている客はそう無様に映らない。
どちらも正々堂々とした、さばけた心をしていた。
だが、退屈で窮屈でもある。


アルフレットはスピードボールを生みだし、走らせた。
びょんびょんびょん
ステージの上を高速のエネルギー球がはじけまわる!!

ウッドデッグは万が一のために楯をかまえ、半分神経をアルフレットからはなさなかった。
ズガン、至近距離で爆発した。
「おかえしだ」
両手に剣と楯を持ったまま、念のみでフレイムボムの火球をつくりだした。

ふぼん>。
ゆっくりとアルフレットにむかう。
アルフレットは叫んだ。「排気ガスすってヒーローやっているやつと、排気ガス吸ってもらってヒーローの違いをみせてやる」

アルフレットシールドでうけとめたが、楯も失った。
「こんなもんだろ」
鉄のように硬かった楯が柔らかいゴムのようにとろけ、最後はスライムのようにドロドロになって地面に落ちた。

アルフレットは跳躍しておそいかかった。
両手でアウトセーバーを握り切りかかる。

観客からはため息と声援、興奮する声、罵倒する声、何か飲み物を飲む音がする。

アルフレットは鎧を着ていない。
服が破けて肉が裂けたが血は出なかった。
ウッドデッグはアルフレットの剣をかわしていた。
「ニャ…」
二撃目!
ビッ
アルフレットは傷口をふたつつくる。

「おー」観客は興奮する。




2




観客のひとり、客席に虎のぬいぐるみの帽子をかぶった人がいた。
彼は大人しく観戦していたが、声を出して戦士たちにさけんだ。
「おー、ヒーローちょっとやったからって教室の入り口ふさぐなー」
そしてしばらくもぞもぞしたいたが、「炭酸水でも買ってくるか。ただ酸っぱいだけのやつ」そういってポケットをまさぐった。


「いさぎよくいきたいな…」アルフレットはそう剣を構えていった。
ウッドデックは半分気前の良さそうな笑顔でこたえた。「フン、じたばたもがきたくないとみえる」

虎の帽子の男はメガネをいじりながらおもった。
(聞き分けのいい営業マンがいないみたいな感じだな)


エドアール 「まったく、文学相撲だ」
アルフレット 「文学相撲も終わりにしてパワーでいくか」

アルフレットはアウトセーバーをはなすと、彼の剣はアルフレットの前でくるくる宙で回転しはじめた。
ウッドデッグ 「なにをするきだ…」
アルフレット 「ぬうううううん。スペースブレイク」
ゴウと小宇宙がアルフレットの両手からこぼれだして回転しているアウトセーバーに飲み込まれていく。

ゴウウウウンン

アルフレットは剣をキャッチすると構えた。
「いくぞ、スペースブレイクショット」
剣の刃に幻影のようにすっきりする宇宙空間の残像がうかんでいる。

ウッドデッグ 「小宇宙のエネルギーをまとったか」

アルフレットの片方の肩にある肩あては奈落の肩あてだった。










魔界四武者対戦表


アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (14)





アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (14)







1


エドアールはいった。
「鎧がないぶん、ダメージが大きいな。すばしこいのとトレードオフだ」
「ちっ…」
向こうは青銅のような、魔界風の軽量の鎖かたびらだ。


ザール王子 「やれやれダメだなこりゃと思ったが。バカ力勝負で押したか」

マンデンブルー大佐 「こういうのはスタジアムっていわないでコロシアムっていうんじゃないのかね。剣闘士とか」

アルバリシアは自分の両親の実家に帰って中継を見ていた。
アルバリシア 「エドアール…がんばって」

スタジアムは戦士たちではなく、お互いにやじをとばしあっている。試合そのものを注視しているものは65%というところなのだろうか。

ワーワーという歓声。熱気がこぼれおちる。それ以上に観客が私事に熱中しはじめている。



2



グマーズ・マウは稲妻のようにひらめき切り込むが、スーパーエドアールに間一髪封鎖される。
「おっと、危ないぜ」
「…打ち会っているうちに、こちらの剣閃においついてきたか……なかなかの才能…」

グラと影が揺れるような動き。
いつの間にか宙から飛びかかってきている。
剣と剣がぶつかる。
バランスが崩れ、二人とも大きな隙を作った。

とふ…
ギラン!

すれ違ってたった二人。
ズバと血が噴き出してはじめてエドアールは痛みを感じた。
「グ…深いのか!?」

グラーズ・マウは鎖かたびらがさけて出血しているのを見た。
「……!」


ラグナクロク軍駐屯地
トム 「どうした、エドアールいけよ」

エドアールは頭の中で考えていた。
(春雨…いやタイガーショットか、五月雨…)

グラーズ・マウは攻撃してきた。
【紙縫い】

セプティミウス 「老王!ぼくと同じ技だ…六段もつかえたら恐ろしいよ」
ロームルス 「両者互角か!そろそろ終わるな」

【五月雨】

ズガガガガ
シャキン!

エドアールの魔法騎士の鎧は真っ二つに切り裂かれた。
鮮血がふきだす!

どっちが勝利か?

どちらもダウンした。




3



引き分けで、第二カテゴリの戦いでは棄権か?
マンデンブルー大佐の意見では入院はあっても死亡はなくせということだった。
デスマッチの戦争だという意見もあったが…


アガメムノンたちの戦闘艦の母船のVIPルームで、複心の男がみていたがいった。
「ふーむ。素晴らしい試合だったが…どうする」
やっと声を絞り出していった。しばらく忘れていたように声がかすれていた。
座り込んで動けない人みたいだったが、頭の中は動いていた。
レベルラハムがいった。
「二人とも引き分けにして次も参加させたらどうかしら」
「……それもいいかもしれん」
彼はアガメムノンに電話をかけた。


結果どちらのサイドも賛成した。
エドアールとグラーズ・マウのふたりも賛成した。
どちらも手当てを受けた。

だが、アガメムノンはレベルラハムを警戒した。
(あいつめ…あの御婦人か…。気をつけろよ。まあ、好きな女のひとりくらい大事にするのもわかるがな)

巨大組織で意図的に誰かを優遇したらどうなるだろう。
組織の任務の実力ではなく、個人的感情によって優遇したら?
それは超重量の軍艦でも、大型豪華客船でも、なみにゆられて転覆しかねないだろう。
その組織の規模によりゆとりの規模が違うだろう。

検索エンジンでスポンサーや特定の個人を検索順位で優遇したとしたら?
おそらく、ユーザー全体から検索結果が不順と認識されていき、信憑性がぐらつくだろう。
だが、スポンサーと断ったうえで優遇しているからビジネスとして収益が成り立つのであり、その船の許容範囲でやりくりをするのである。

ポケットマネーでやるのはよいが、組織の権限を職権乱用すると組織がぐらつく。
だが、まったくそれをやらない組織は存在しない。




4



ウッドデッグ
アルフレット
死霊やゾンビをよみがえらせる力を持つ。半神半妖。自分の名に由来した剣と楯をもつ
一般的なアメリカ人のヒーロー。自分では知らないうちに神へと近づいていく



司会者 「えー、第ニ試合をはじめます」

アルフレットがデスマッチのリングにむかいながらいった。
「精神の肉体労働、ジェントルマン」
対戦相手はすでにリングにいる。
ウッドデッグ。
「?」

アルフレットは意味不明にいう。
「サルをやるほど支払わされる。有能な上司など危険だ」

エドアールも包帯だらけの格好でいった。
「サルひきうけたぶん、違うところで豪遊するつもりだろ。つかったら同じことだ」

アルキポはいった。
「…サルをやめたら幸福になれるみたいな変な宗教みたいでどうかとおもうぞ」

ウッドデッグはフンと笑っていった。
「フン、禿鷹といわれるぞ、そのうち」
「あっ」

ジュール 「彼の力は未確認だよ。みせてもらうよ」

ウッドデッグ…両手のこぶしと腕に包帯をかたく巻いている。
デッグシールドという楯を片手に持ち、ウッドブレードという剣を握っている。
魔界の旅人といった感じの服装で、なんとなくおさまりの悪い体形をしている。
彼はなんとなく不格好なのだった。
アルフレットはおさまりのいいスタイルをしている。
青白い顔をした魔界の若者という顔だ。
何となくうれしそうな笑顔をしているところがアリスタンダーの息子バーラルデビルに近い。

「自信たっぷりの笑みだな」アルフレットはそういうと両手を突き出した。「アルフレットボール」
大砲のような音を立てておおげさに光の玉がとびだす。
相手は楯でうけとめてみた。
ズルズルと後ろに下がるが、もちこたえた。
「なるほど、このくらいの程度か」

ウッドデッグはウッドブレードをふりかぶりおどりかかった。
アルフレットは少し下がって「おっと」と声を出した、そして「アルフレットシールド」とさけぶと片手に小さな楯をもっていた。
「無から造り出した物質」
そしてウッドデッグの剣をフライを受け取るみたいに楯で受け止めた。
「こんなもんか」

エドアール 「両者互角みたいだ」