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2015年2月26日木曜日

World planet huger ワールド・プラネット・ハンガー 13






13


World planet huger
ワールド・プラネット・ハンガー

閉ざされた世界












51 ジープで悪路を



駅を見物したかったが、ソリトンはすたすた案内して通り過ぎる。
「ま、帰りにでも縁があったら」
どうせ暇つぶしか。改めて見物してみると実際たいしてみるものがない…

駅の駐車場にジープが止めてあった。
それに三人が乗り込む。

ソリトンが運転して走りだす。
ケファがソリトンをなにやらひじてつついている。

アレクセイは後部座席で考えていた。
(やけに自動車教習所に縁があるぜ。何回通っても免許がとれねえ。おしいところまで行くんだけど。ホビンもスピカもハーモットの親父もあたりまえみたいに車をころがしてやがるぜ。どうやって普通に運転できるんだ!?)

ひらけた駅前から、だんだんマイナーな道に迫る。
悪路を進んでいくようになる。
パワフルなジープはガソリンを燃やしタイヤを力強く走らせて悪路をぶったぎる。

「おおい、どこにいくんだ」
ソリトンは笑って答えた。
「あはは、そんな危険なところじゃありませんよ。アイアンヘルムの別荘にいくんだけです」




52 対面



アイアンヘルムは火かき棒でペチカの燃えているマキをかきまわしていた。
スメルジャコフの「来ましたよ」との声が聞こえる。

マイファが挨拶する。
「はじめまして。よろしく。アレクセイ君」
「ああ、どーも」
アレクセイは息を弾ませ、帽子をとる。
マイファをみて、頑丈そうで体力がありそうな女だと思った。
壁のはしにつったっているスメルジャコフをみてアレクセイは声を上げた。
「あー、おまえ。スメルジャコフ!おまえがいないと、アリアロネンのおれたちはイーハートーブなのに口をききにくいんだよ。覚えているだろ、うちの連中。マチルダとかさ。それにしても久しぶりだな」
「…ひさしぶり」
スメルジャコフは不愛想にそういっただけでだまった。
「なんだよ、愛相悪いな」

(フン…催眠術でおれの記憶を消さなかったのは確かだが…そんなのは感傷にもならん気まぐれにすぎない。本当の対人関係はここからはじまるんだぜ。記憶を消さなかったのが仇にならなければいいのだが…)

アイアンヘルムは応接ソファにこしかけて、アレクセイにも促すとマイファにワインのビンをとらせた。
「なかなか手にはいらないワインを仕入れてみた。フラキルクの農園のブドウで醸造されたものだ」
あけるか?とたずねると、
「いや、おまえとだとなんだか悪酔いしすぎるまで飲んでしまいそうだ」
「…以外と悪酔いするタイプか…そんな“ノミスケ”には見えないが。わかった。寝室で飲むか、土産として持って帰ってくれ」
「ああ、そうする。ありがたい」

ふたりとも初対面というよりか、懐かしく久しぶりに会う誰かみたいに感じていた。

「コーヒーにするか…なにがいい」
「そんじゃ、カフェオレを頼む」
ケファにコーヒーをもってこさせる。
「家のものや組織のやつらに指示して動かしていると、自分が自発的に動く意志力が散漫になって仕方ねえ」
なかば、やつれたようにアイアンヘルムはそういった。

アイアンヘルムの別荘は風通しが良さそうなつくりだが、温かい火が燃えている。
だが、燃やすマキがなくなれば凍えるように寒くなるだろう。
つねに生き物のように代謝していないといけない。それは人が意識的に活動を続けているという証なのだ。

「…それで、政府はどうだ。おまえもこのままじゃまずいだろ」
アレクセイはおもしろがった。
いいにくい話をするみたいだ。オヤジでもないのにオヤジみたいに語りかけてくる。
「ああ、政府はどうしょうもないさ」
「…自由人やっているからわかるが、自由なかわりに収入は自由に入ってくることはあり得ない。惑星アルヘレンもガタガタいうにもほどがあるぜ。事変も戦争の火がくすぶるようになってきている。ありていにいうとだな。よそのまとまった土地っていうのか、組織や藩、軍閥なんかをまるごと傘下におさめようという計画がうちにあるんだ」
「おいおい、まさか政府を上から支配する気かよ」
「…それも、おもしろくないかもしれない。戦争になって面白くないのは、どこもどっこいの軍事力にみえる。延々と勝負のつかないつまらない戦になりそうだ。どうおもう」
「いや……戦争のことはわからねえ」
「そうか、自分が就職するとか傘下におさまるならうれしくて飛びあがるような企業だとか組織でも、自分の下におくとどうも虫が好かないことが多いな。なんでかな」
そういってコーヒーをすすった。
「自分の血肉にするとなると拒絶反応が出るんだ。その反対だと別に悪くない。組織の一員なんてありがたい気がするんだ」
「ああ、政府は…下とかじゃなく、横並びの同盟がベストだとふんでいる」
「なるほど…」

ところで…
とアレクセイはコーヒーカップを置いていった。
「おまえ、運転はできるか!?車の」
「ああ!?できるが」
「そうかいいな」
「オレの運転は暴走運転に近い。まねしない方がいいぜ」
アイアンヘルムはあまり興味がなさそうにいった。










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