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2015年3月29日日曜日

アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (12)




アガメムノン もしくはネクロポリス大戦記 (12










1



アガメムノンの腹心の男がいった。
VIPルームを借りるぞ、アガメムノン」
「…いいだろう」
(お前には世話になっているからな)


VIPルームには巨大スクリーンが設置されており、グレートシティのスタジアムが映る。
特有のクッションのきいた洒落たソファがスクリーンを囲み、照明も何種類もあるソフトから選べた。
それにより落ち着きやムードを調節できた。

「我らが…ネクロポリスにはガソリンを好んで喰らう巨大魔人などごろごろいるが、あなたはまさか食されないだろうが…酒はやや濃いのを好まれますかな」

  ガソリンを飲むなど絶対まねしないでください。

レベルラハムは答えた。
「ノウ」
「それじゃ、ジュース…すこしだけウォッカでもたらすか」
「イエス。カクテルみたいのなら、少しだけ」

レベルラハムはロボットだが、ドラえもんのように飲食が可能だった。
たぶんコントロールしているマハーラタにそれが伝わるのだろう。
省エネモードではレベルラハムの手がドラえもんのように球になってコップをもっている。

彼はグラスとつまみを用意すると自分も席に座り語り出した。

「これから魔界四武者との競技がはじまる」
「ネクロポリスでは戦争を観戦するの」
「……酒を飲みながら戦争か。わが魔界では指揮者は臆病になり固まるのを戦争の指揮者失格とみなされる。あなた方の故郷ではどうなのかな。たしかに、戦況が苦しくなっているときにそれでは不謹慎とみられるが、このくらい威勢をはる方が指揮下の全軍喜ぶ。そういう世界ですな、ネクロポリスとは」
「そう、ここまで戦火の手が回ったら」
「エスケープの手段なら数種類用意されている。万能とはいえんがな」

彼はだんだん感じた。
(ふーむ。この御婦人!ひとりなのに十数人分くらい重いぞ!?だんだん口を開くのも重たくなってきたぞい)
彼はどっしりとソファにもたれて、腰が重くなった。さらに神経が超重量のスーパーコンピュータに接続されたように、吸い取られていくのを感じた。
意思決定もおぼつかなく、ただ座って葉巻をふかすか酒を口に運ぶのがやっとになってしまった。
「ふー、喫煙を失礼。やれやれ」




2



デスマッチのスタジアムに時空戦士側の四人が入ってきた。
歓声が上がる。

四名はここで初めて顔を合わせた。
「オース。よー、ひさしぶりだな」アルキポがそう声をかけた。
「緊張してないのか」エドアールがいう。
「最後の最後はアウストロクロスで死ぬつもりだ」アルフレットが達観したかのようにそういう。
「みなさん参戦ありがとうございます」メラネウスがそういうとアルフレットがさえぎった。
「司会者とか主催者にまかせればいい。時空警察の職員とはいえ、今は戦士だ。そう気を使いなさるな」

くじ引きがはじまった。
1から4までのカードを引く。
ネクロポリスサイドのメンバーも。

時空警察サイド
ネクロポリスサイド
エドアール
グラースゴウ
アルキポ
ウッドデッグ
メラネウス
ガーラド
アルフレッド
グマーズ・マウ


第一試合の一番のカードを引いたのは、メラネウスとガーラドだった。
「えー、第一試合はメラネウスVSガーラド」
司会者がアナウンスする。
落胆と歓声があがり、そのあとなぜか脱力がおきた。

「第二試合は」

「オレだ。二番のカード」エドアールがそういってカードをみせた。

「エドアールVSグラースゴウ」

「第三試合はアルキポVSウッドデッグ」
「そして、第四試合はアルフレットVSグマーズ・マウ」

みな、プログラムの紙をみつめている。
会場はシーンとなった。
なんとなくつまらない対戦だと8人の戦士を交互に眺めて皆そう思った。
なんとなく違う。選手でさえそうおもっていた。


3


「あー、魔界四武者でもそう思うぞい。でもくじびきじゃしかたないか…」
スタジアムをVIPルームのスタジアムで観戦している福心の男はそういった。
「なんとかならないの」レベルラハムはそういった。
「なに!?どうするんじゃ」
「こうするの」

彼は電話機をとりだしてアガメムノンに電話した。


試合の組み合わせはもういちどくじを引くことになった。
「えー、今のは模擬でして、本当の組み合わせはこれから始めたいと思います。いまやったように対戦相手が決まるというわけで」

違和感はあったが、会場や宇宙で観戦している人たちが盛り上がった。

その結果


一番のカードを引いた二名は?
「オレだ」エドアールと?
「わたしが…」眼帯をした若武者グマーズ・マウ

アルフレットがいった。
「二番はぼくだ」
対戦相手はウッドデッグ

「おれは三番試合だぞ」アルキポの対戦相手はガーラド

四番試合はメラネウスとグラースゴウ


レベルラハムは組み合わせをみていった。
「見事だけど…こんどはやらせみたい」
「そうじゃな。天のめぐりあわせか。意図的に組み込んだみたいに見えるが」

スタジアムの観客は確かにくじを引くところをみているため、競技のベストマッチにわきあがった。














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