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2015年3月2日月曜日

World planet huger ワールド・プラネット・ハンガー 14




14


World planet huger
ワールド・プラネット・ハンガー

閉ざされた世界










53 シルヴィア・ツヴァイシュタイン・ルーカス


アレクセイはこの物語のだいぶ後になって、シルヴィア・ツヴァイシュタイン・ルーカスという女性と結婚することになる。
フラキルクよりさらに南方のマルクドーツの地方出身の女性だ。
物語なので早回しして、近未来の映像を映すことができる。
少し見せてみよう。


シルヴィアとふたりきりになったアレクセイだが、なにかしゃべったほうがいいのか不安になった。
かっこいいセリフでも言わなければ気まずいような気がして、間がもたなかった。
しかし、何か言おうと考えると疲れてくる。
シルヴィアは黙っていた方が居心地がいいとも考えていた。
そのとき、天のウルトラマリンの女神≪深緑?海色絵の具。聖母と対比される聖母≫が助け舟をだした。
夜空の星がリアルにまたたいている。
原始テレビの光景のように。
アレクセイは星を指差しシルヴィアにみせた。

紀元前の羊飼いが見た原始テレビ。
夜空の星座は神話となって語り継がれる。
オリオン座だのふたご座だの。
それは羊飼いの脳が夢想してつくりあげたものだろうか?
原始テレビは電波を羊飼いの脳に現代のテレビとおなじように放送していたのかもしれない。
それが、各地に残る神話で当時のネットでありテレビ放送であり、コミックや映画だったのかもしれない。
ウルトラマリンの女神は奇跡の真珠をもつ一人と推測できるかもしれない。
ギリシア神話のゼウスなど、本当にいたようないないようなはっきりとしない感じがするが、神々の世界のドラマの中の神と考えると合点がいくのかもしれない。





54 帰国



「おきていますか?アレクセイ」
そういってソリトンがドアをノックする。
「朝食のクロワッサンと野菜ジュース。ゆで玉子です」
「ああ、どうも。ここの食糧難は?」
「やっぱり食料難ですよ。でもあるところにはあるんです。共産主義で流通がかんばしくないからですよ」
「そうか」

マイファがアレクセイにいう。
「今日で帰るの?」

マルーニア鉄道のアルメロン駅までスメルジャコフとソリトン、ケファが見送りにきた。
というより彼らのジープで運んでもらったという方が正しいが。

スメルジャコフはステーションのプラットフォームでいった。
「じゃあな。達者でな」
ケファもいった。
「また会いましょう。そのときまでおげんきで」
「ああ、じゃあ、さよなら。またあうだろうけど」
澄みわたった朝というのか午前の時間の空は高く、青空が冷たい空気ではりつめて清潔で新鮮だった。
はく息が白い。

アイアンヘルムは今朝いった。
「おまえのその計画がうまくいったらしめたものだ。お前は半永久的にスターになれるんだぞ」

そうはいかないだろう。
アレクセイはそう踏んでいた。
いずれ…いや。

アイアンヘルムの電話番号とメールアドレスが通信モバイル装置に登録された。
新しく力強い新システムが構築されたようだった。
一本の記号が組み込まれただけで…


アイアンヘルムは憂いていた。
惑星アルヘレンは徐々に崩壊の足音を聞こえさせている。
太陽が暗くなったことだけでない。

アレクセイの救済は一般的な形態をとらなかった。彼は万能の完全なる救世主というわけではないのだ。アレクセイによるアルヘレンの救済は変形した形態をとってもたらされる。




55 栗のたとえ話


アリアロネンに帰国したアレクセイは鞄から土産のワインをとりだした。
マチルダからもらったストリートリッチはもうそこをついてきていた。
ながめると体が火照ってくる。

アレクセイはマチルダをはじめ、みんなをあつめた。

アレクセイは「栗のたとえ話」をはじめた。

原始人は神により貯蓄を禁止されていたと推測できる。
しとめたマンモスの肉はみんなで焼いて食える。
だが、腐るため貯金ができなかった。

そのレベルの時代、神は貯蓄を人間に与えるのは不浄と考えた。
なぜなら貯金や貯蓄は、富の蓄積は人間の不平等をもたらし、貧富の差、引いては身分の差をひきおこすからだ。
狩猟時代のその場限りの富なら問題がない。
ジャン・ジャック・ルソーの「人間不平等起源」のような考え方だが、神はそう考えていたと思われる。

※地球のルソーがなぜ惑星アルヘレンにいるのか定かではない。

栗のたとえとは、クリはカキに比べてそんなにおいしいだろうか?
痛いとげに守られ、さらに硬い皮に守られ、やっと食べられる実はサツマイモに似ているが、そんな特別でもない。皮の薄くて腐りやすいカキは甘くてみずみずしくうまい。
だが、カキは貯蓄できない。
さっきの話の通り、クリは貯蓄がききそうだ。自然になっていて。だから神は貯蓄を恐れてクリを厳重に隠した。

マチルダがアレクセイの話をさえぎった。
「でもそれなら、小麦もおなじじゃなくて」
「それはな、農耕や家畜という貯蓄をもらたすシステムが人間に与えられるのに障壁があったんだな」

そう簡単に神は貯蓄を許さない。
初期の農耕のサトウキビなど、虫歯という恐ろしい禍をはらんでいた。
狩猟時代から農耕時代へのシフトは今では忘れられているかもしれないが、大変な功罪をはらむ移行だったと考えられる。

「それで」
スピカがお茶を飲みながらいった。
「ねっぱった金って、前話したよな」

計量できて、目に見えてあるとわかる現金、通貨、貨幣。
それに反対し「見えないお金」「見えない富」
それは運の良さのようであり、違う物語ならオーラのようであり、健康のようであり、
見えるお金で買い物したものを光らせる力のようであり、
ねっぱった金とは貨幣の量は多くて大金を保有しているが、見えない金が少ない状態をさすともいえる。
アレクセイはいう。
「この見えないお金は、原始社会のように貯蓄が許されていないんだと思うんだな。そのばかぎり、いいとこ稼いでから二日とかしか保持できない」
「マンモスの肉…」
ホビンがそういう。

「そう、いまから千年後の人類は見えない金を貯蓄しているかもしれない。貸し付けて経済支配しているかも。でも、考えられる限り当面不可能なんだな。現在の世界の常識じゃ」

第二段階の世界が来ると富を貯蓄できるように、人間に身分が生じるのを神は許した。というより神の計りしれないご計画にそれがあったと考えられる。
ある程度時代が進むと人間に身分がないと不潔という、そういうシステムの人間社会が構築されていく。







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